[23日 ロイター] - オーストラリアの大手ワインメーカー、トレジャリー・ワイン・エステ―ツは23日、中国がオーストラリア産ワインに課している関税を撤廃すれば中国事業を建て直す上で有利な立場にあるとする声明を発表し、関税撤廃に期待を示した。
オーストラリア政府は22日、オーストラリア産ワインへの関税の見直しで中国と合意したと発表した。
トレジャリー・ワインによると、中国事業の建て直しには高級ワイン「ペンフォールズ・ラグジュアリー」の一部を他の市場から中国に振り向けて販売再開に備える、ペンフォールズの入門レベルの製品の販売網を再構築するといった措置が含まれる。
2020年終盤に中国がオーストラリア産ワインに制裁関税を課すまで、同社は利益の3分の1を中国が占めていた。
トレジャリー・ワインは23年度の年次報告で「新型コロナウイルスやサプライチェーン(供給網)の目詰まり、米カリフォルニア州の森林火災の影響で高級ワインが入手しづらくなったこと以上に、20年に導入されたオーストラリア産ワインへの関税で事実上中国市場が閉ざされた」と指摘した。
6月に終了した23年度の年間利益は前年比3.3%減少。今年は高級ワインの需要がペンフォールズ主導で世界的に伸び、オーストラリアと中国の関係改善によって予想が上振れする可能性もあるとした。