Stephen Nellis Max A. Cherney
[23日 ロイター] - 人工知能(AI)向け半導体で圧倒的シェアを誇る米エヌビディアが、これまで米インテルの牙城だったパソコン(PC)用半導体市場に挑もうとしている。
事情に詳しい2人の関係者はロイターに、エヌビディアがマイクロソフトの基本ソフト(OS)「ウィンドウズ」を動かすCPUの設計をひそかに開始し、そこには英半導体設計大手アームの技術が使われると明かした。
マイクロソフトは、半導体メーカー各社がウィンドウズ搭載PC用のCPUをアームの技術で製造する取り組みを支援している。その理由は3年前、アップルがアームの技術を用いた内製半導体を同社製PC「Macシリーズ」に搭載して以来、市場シェアを大きく伸ばしたからだ。IDCの暫定データによると、Macシリーズは過去3年でシェアが2倍近く増大した。
エヌビディアの動きも、こうしたマイクロソフトの後押しによる。アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)もアームの技術を使ったPC用半導体製造を計画していると別の関係者は話している。
アームの技術をベースとするノートPC用半導体は、既にクアルコムが2016年から製造している。
マイクロソフトは、クアルコムがウィンドウズ搭載PC用半導体を独占的に開発することを2024年まで認めており、この取り決めが失効した後、各メーカーに参入を促す考えだ、と先の2人の関係者は語った。
PC用半導体市場は長らくインテルが覇権を握ってきたが、直近ではアップルの勢いが強まっている。Macシリーズに搭載された内製半導体は、電池寿命がより長く、消費電力が少ないのに高速処理が可能だからだ。
マイクロソフトは、アームの技術を使ったアップルの半導体性能の高さを目の当たりにしたため、同程度の性能を発揮する半導体の確保を熱望しているという。