JPモルガンCEO、自社株一部売却へ 在任中初 総額1億ドル超か

Reuters

発行済 2023年10月28日 01:00

更新済 2023年10月28日 03:09

Niket Nishant Lananh Nguyen

[27日 ロイター] - 米金融大手JPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモン最高経営責任者(CEO)が保有するJPモルガン株の一部を2024年に売却する。18年弱のCEO在任中に売却するのは初めて。

JPモルガンが27日に当局に提出した書類によると、ダイモン氏と家族が保有する計860万株のうち100万株を売却する意向だ。

26日の終値に基づくと、売却額は1億4100万ドル近くとなり、残る株式の価値は10億7000万ドル相当になる。LSEGのデータによると、JPモルガンの時価総額は4090億ドルを超えている。

JPモルガンは売却の目的が「資産の分散と税金対策」とし、ダイモン氏は「会社の先行きは引き続き非常に力強いと確信している」とコメントした。

米経済誌フォーブスはダイモン氏の純資産を約17億ドルと推定している。

オピマスのオクタビオ・マレンツィCEOは、ダイモン氏の資産がJPモルガン株に集中していることを踏まえると、「完全に理にかなっている」動きと指摘。ただ、投資家は悪い兆候とみなす可能性もあるという見方を示した。

米株式市場ではJPモルガンの株価は2.5%超下落した。

JPモルガン株を保有するザックス・インベストメント・マネジメントの顧客ポートフォリオマネジャー、ブライアン・マルベリー氏は「通常、CEOやインサイダーが株を売却すると懸念が高まるが、JPモルガンのバランスシートは依然堅調で、自社株売却のタイミングや動機について懸念していない」と述べた。

JPモルガンの広報は、今回の売却はリーダーシップの継承とは無関係と説明した。また、ダイモン氏は足元追加で株式を売却する予定はないとしつつも、将来的には売却を検討する可能性もあるとした。