パナHD、通期営業益見通し下方修正 7―9月期はEV電池が赤字転落

Reuters

発行済 2023年10月30日 15:50

更新済 2023年10月30日 19:27

Miho Uranaka

[東京 30日 ロイター] - パナソニックホールディングスは30日、2024年3月期連結売上高(国際会計基準)と営業利益見通しを、それぞれ8兆4000億円、4000億円へと引き下げた。スマートフォンやパソコンなどICT分野(情報通信技術)の低迷や中国市場での市況悪化の影響に加え、電気自動車(EV)向け電池の減産も響いた。従来予想は8兆5000億円、4300億円だった。

通期営業利益見通しは、IBESがまとめたアナリスト18人による予想4232億円を下回った。通期の純利益見通しは維持した。

7―9月期のEV電池については、米国インフレ抑制法(IRA)に関する補助金の影響を除くと収益性が大きく悪化。北米のEV需要が補助金対象の比較的価格の安い車両にシフトしたことで、高価格帯向けの需要が鈍化し、国内工場の生産量を4―6月比で6割減産した。生産調整に伴う固定費削減が遅れる一方で開発投資を継続し、車載電池は赤字に転落した。電池事業全体では、通期の調整後営業利益見通しを15%引き下げた。