サムスン電子、第3四半期は78%減益 来年の半導体需要回復を予想

Reuters

発行済 2023年10月31日 09:34

更新済 2023年10月31日 14:29

[ソウル 31日 ロイター] - 韓国サムスン電子が31日発表した第3・四半期決算は、前年同期から78%の減益となった。供給がだぶついている従来型半導体の減産を今後も継続し、来年に見込まれる生成AI(人工知能)向け高性能製品の需要拡大に備える方針を示した。

AI機能を搭載した端末の普及で、広域帯メモリー(HBM)など高性能DRAMチップに対する需要が2024年に高まると予想した。同年にHBMの生産能力を現在の2.5倍以上に引き上げる計画も明らかにした。

同社のメモリー事業幹部は電話会見で、半導体業界が底を打ったとの認識が広がり、顧客から購入の問い合わせを受けていると説明。「在庫水準の正常化を踏まえると、パソコン・モバイルメモリー市場の回復が加速すると見込む」とした。

サムスンは今年、深刻な半導体不況を乗り切るために減産に踏み切った。市場が回復しつつある中、NAND型フラッシュメモリーを中心にさらなる生産調整を行うとした。 

第3・四半期の営業利益は2兆4000億ウォン(17億8000万ドル)。同社が今月示した見通しと一致した。前年同期の10兆8500億ウォンから減少したものの、今年第1・四半期の6400億ウォン、第2・四半期の6700億ウォンからは大きく改善した。