午前の日経平均は続落、日銀修正報道で内需株に買い 半導体は軟調

Reuters

発行済 2023年10月31日 12:05

[東京 31日 ロイター] - 午前の東京株式市場で、日経平均は前営業日比47円52銭安の3万0649円44銭と続落した。30日の米国株式市場でフィラデルフィア半導体指数(SOX指数)が下落した流れを受けて、指数寄与度の高い半導体株が総じて軟調となり、日経平均を押し下げた。一方、日銀の政策修正報道で銀行や保険などの内需セクターはしっかり。TOPIXはプラス圏で引けた。

日経平均は2円安と小幅安でスタート。144円安の3万0552円65銭で安値を付けた後はプラス転換し、16円高の3万0713円09銭で高値をつけたものの、その後再びマイナス圏に転落した。

日本経済新聞は30日、日銀が31日の金融政策決定会合で長短金利操作(イールドカーブ・コントロール、YCC)の再修正を議論するとし、現在1%としている長期金利の事実上の上限を柔軟にし、一定程度1%を超える金利上昇を容認する案が有力だと伝えた。外為市場はドル安/円高、円債市場は金利上昇で反応した。株式市場では内需株が買われる一方、自動車や電気機器などの外需株が売られる動きがみられた。

大和証券の林健太郎シニアストラテジストは「短期的な金利上昇による逆風と、中長期的で見た日本経済への期待感が拮抗している」との見方を示した。市場は日銀の政策修正に身構えていたほか、金融政策の正常化や脱デフレへの期待感もあり、波乱を避ける格好になったという。

TOPIXは0.22%高の2236.04ポイントで午前の取引を終了した。東証プライム市場の売買代金は1兆9741億3900万円だった。東証33業種では、値上がりは銀行、保険、小売り、その他金融、医薬品など24業種で、値下がりは輸送用機器、電気・ガス、機械など9業種だった。