Matt Tracy
[6日 ロイター] - 米金融大手JPモルガンの調査報告書によると、額面を大きく割り込んで取引されるディストレスト債に分類される社債が10月、過去7カ月間で初めて増加した。大半は、多額の債務を抱える借り手企業に対して金利上昇がもたらす影響に起因している。
JPモルガンによると、額面100ドルで発行されながら90ドルを割り込んだ価格で取引される高利回り債は10月、前月比400億ドル増の6740億ドルとなった。
50ドルを割り込んだ価格の社債は57億ドル増の255億ドル。70ドルを下回る価格の社債は89億ドル増の967億ドルとなった。
報告書の筆者は「高金利が相場に及ぼす影響のため、90ドルを割り込んだ高利回り債の残高は、2020年3月の水準を上回った」と記した。
社債は、発行体の企業が債務の返済に行き詰まるとみられ、債務不履行のリスクを理由に低い格付けを付与される場合に、ディストレスト債に分類される価格で取引されることが多い。
米連邦準備理事会(FRB)の金融引き締めが企業の財務を直撃する中、ムーディーズやフィッチなど格付け会社は、企業の債務不履行が来年に増加すると予想している。