中東・北アフリカへの旅行、戦闘激化懸念で中止や延期相次ぐ

Reuters

発行済 2023年11月07日 11:21

Doyinsola Oladipo Joanna Plucinska

[ニューヨーク/ロンドン 6日 ロイター] - イスラエルとイスラム組織ハマスとの闘争が激化するとの懸念から、中東や北アフリカへの旅行を中止もしくは延期する動きが相次いでいる。旅行会社側も、旅程の変更や航空便の予約取り消しに奔走している。

大手航空会社はイスラエル発着便の運航停止を年末まで延長。旅客船運航会社は近隣諸国への寄港を回避する形に旅程を組み直している。旅行会社によると、戦闘の影響はエジプト、ヨルダン、トルコなど近隣諸国への旅行需要にまで及んでいる。

旅行会社クルーズ・ベイケーション・アウトレットのトッド・エリオット最高経営責任者(CEO)は「顧客が戦闘への懸念からエジプトのナイル川クルーズの旅行を2024年12月分まで取り消す事例も見られる」と述べた。

ノルウェージャン・クルーズライン・ホールディングスは1日、投資家に対し、短期間の旅行を中心にこの地域への旅行の取り消し増加や減速が見られると説明。同社とロイヤル・カリビアン・グループは2024年の運航計画を、イスラエルへの寄港を回避する旅程に変更した。

ワシントンの新興予約プラットフォーム「@ホテル」によると、中東地域への旅行の新規予約は70%減少。同社のコンラッド・ワリスゼウスキーCEOは、同プラットフォーム上では11─12月のエジプト旅行の40%余りが既にキャンセルされたと話した。11─12月はトルコとキプロスへの旅行もキャンセル率が2倍に跳ね上がったという。

ホテル運営会社マリオット・インターナショナルのキャスリーン・オバーグ最高財務責任者(CFO)は決算発表に伴う電話会見で、同社のレバノン、ヨルダン、エジプトの27軒のホテルでキャンセルが出始めており、需要は弱まっていると説明した。