世界の銀行、ESG関連融資を見直し 規制圧力の高まりに対応

Reuters

発行済 2023年11月13日 15:20

Tommy Wilkes Isla Binnie

[ロンドン/ニューヨーク 10日 ロイター] - 世界の銀行はESG(環境・社会・企業統治)目標にコストを連動させたコーポレートローンを規制圧力の高まりに応じて見直している。

2017年に初めて使用された「サステナビリティ(持続可能性)・リンク・ローン(SLL)」は、企業が炭素排出削減や取締役会多様性向上などの目標を達成した場合、コストを通常約2.5─10ベーシスポイント引き下げた融資を提供するもの。貸し手自身のサステナブルファイナンスコミットメントにも算入される。

SLLが企業のグリーンクレデンシャル(環境への配慮に関する信頼性)を誇大化させるとの指摘がある中、規制当局は監視を強めており、銀行は企業が目標を達成できなかった場合、借入コストを引き上げるペナルティーを拡大している。

BNPパリバ・コーポレート・アンド・インスティチューショナル・バンキングの最高サステナビリティ責任者、コンスタンス・シャルチャット氏は、グリーンウォッシング(見せかけの環境対策)を生み出さないようにする必要があるとの考えを示す。