米国株式市場=S&P年初来高値、FRB議長発言受け

Reuters

発行済 2023年12月02日 07:26

[ニューヨーク 1日 ロイター] - 米国株式市場は上昇し、S&P総合500種は終値ベースの年初来高値を更新した。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の発言を受け、主要政策金利はピークアウトしたとの見方が強まった。

主要3株価指数全てが上昇。経済の健全性を測る指標とされるダウ輸送株20種と小型株で構成されるラッセル2000指数の上昇が目立った。

ホライズン・インベストメンツの最高投資責任者(CIO)、スコット・ラドナー氏は「12月が好調なスタートを切れば、投資家は株高に飛びつき、追いかけることになる」と述べた。

週間では主要3株価指数がいずれも5週連続高を記録。S&P500とナスダック総合の11月の上昇率は2022年7月以降で最大となったほか、ダウ工業株30種は前日、22年1月以来の高値で取引を終えた。

パウエル議長は1日、利上げが行き過ぎ必要以上に景気を減速させるリスクと、インフレ抑制のために十分な利上げを実施しないリスクは「より均衡している」と述べた。その上で、FRBが今後の金融政策決定において慎重であることを改めて確認した。

ラドナー氏は「今週はFRB最大のタカ派の一人であるウォラー理事がインフレ率が低下すれば利下げに踏み切ると述べた。市場はパウエル議長がこの発言に反対すると想定していたが、そうはならなかった。パウエル氏は来年の利下げに向けて市場を整えている」と述べた。

米供給管理協会(ISM)が1日発表した11月の製造業景気指数は46.7と10月から変わらずとなった。拡大・縮小の分岐点となる50を下回るのは13カ月連続で、2000年8月─02年1月以来の最長を記録。ロイターがまとめた市場予想は47.6だった。

S&P500の主要11セクターでは、不動産が最大の上昇率を記録。一方、通信サービスは唯一の下落セクターとなった。

製薬大手ファイザーは5.1%下落。1日2回服用の肥満症治療薬「ダヌグリプロン」を後期試験に進める計画を取り止めると発表した。

中国電子商取引(EC)大手アリババ・グループ・ホールディングの米上場株も1.2%安。モルガン・スタンレーによる格下げを受けた。

半導体メーカー、マーベル・テクノロジーは5.3%安。第4・四半期の売上高見通しが市場予想を下回った。

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一方、メディア大手パラマウント・グローバルは9.8%高。パラマウントとアップルがそれぞれの動画配信サービスを1つのパッケージにまとめ、割引価格で提供する方向で協議しているとの報道を受けた。

ニューヨーク証券取引所では値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を5.93対1の比率で上回った。ナスダックでは3.32対1で値上がり銘柄が多かった。

米取引所の合算出来高は123億4000万株。直近20営業日の平均は105億8000万株。

終値 前日比 % 始値 高値 安値 コード

ダウ工業株30種 36245.50 +294.61 +0.82 35914.45 36264.85 35914.45

前営業日終値 35950.89

ナスダック総合 14305.03 +78.81 +0.55 14181.35 14311.95 14135.00

前営業日終値 14226.22

S&P総合500種 4594.63 +26.83 +0.59 4559.43 4599.39 4554.71

前営業日終値 4567.80

ダウ輸送株20種 15463.76 +445.25 +2.96

ダウ公共株15種 876.01 +9.25 +1.07

フィラデルフィア半導体 3738.27 +13.68 +0.37

VIX指数 12.63 -0.29 -2.24

S&P一般消費財 1353.94 +17.03 +1.27

S&P素材 522.84 +5.64 +1.09

S&P工業 917.07 +14.15 +1.57

S&P主要消費財 747.05 +2.79 +0.38

S&P金融 599.47 +4.38 +0.74

S&P不動産 237.93 +4.91 +2.11

S&Pエネルギー 644.36 +3.08 +0.48

S&Pヘルスケア 1532.57 +5.47 +0.36

S&P通信サービス 234.23 -0.54 -0.23

S&P情報技術 3278.62 +5.54 +0.17

S&P公益事業 320.51 +3.94 +1.25