米銀大手CEO8人が資本増強策に反対表明へ、6日に上院委員会

Reuters

発行済 2023年12月05日 14:01

Pete Schroeder

[ワシントン 4日 ロイター] - 米議会上院銀行委員会が6日に開く公聴会にJPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモン氏など米銀行グループ大手8社の最高経営責任者(CEO)が出席し、意見を表明する。資本増強策などの金融規制を新しく導入すると米景気の足を引っ張ると警鐘を鳴らし、無期限延期を求めるとみられている。

リーマン・ショックなど世界的な金融危機の再発を防ぐため、各国は銀行自己資本の増強を柱としたバーゼル銀行監督委員会の「バーゼル3」について段階的に実施を進めてきた。このうちリスク計算手法を見直す「最終化」部分は「バーゼル・エンドゲーム」と呼ばれ、米大手銀行は導入に激しく反対している。

公聴会では、このほかに労働者の給与や権利に加え、気候変動、住宅ローン、金融安定性も取り上げられる見通しだ。

ダイモン氏のほかに出席するCEOはバンク・オブ・アメリカ(BofA)のブライアン・モイニハン氏やシティグループのジェーン・フレイザー氏、ウェルズ・ファーゴ(Wファーゴ)のチャーリー・シャーフ氏、ゴールドマン・サックスのデービッド・ソロモン氏、モルガン・スタンレーのジェームズ・ゴーマン氏、ステート・ストリート のロナルド・オハンリー氏、バンク・オブ・ニューヨーク・メロン(BNYメロン)のロビン・ビンス氏。

公聴会は、金融規制強化の弊害として、貸し渋りを招いて零細企業と消費者が苦しむとの銀行側の懸念を表明し、委員会の議論をけん引する民主党穏健派を説得する機会となる。 ただ、シェロッド・ブラウン委員長(民主)は銀行経営の安全性や健全性に依然として懐疑的で、発表した声明では「当委員会の軸足は常に中小企業の経済活動とその原動力である労働者に置いている」などと述べた。

上院銀行委員会の公聴会が立法措置につながることはまれだが、銀行による一部事業の変更につながってきた。