日経平均は大幅反発、米ハイテク株高受けて買い優勢の展開

Fisco

発行済 2023年12月06日 12:10

*12:10JST 日経平均は大幅反発、米ハイテク株高受けて買い優勢の展開  日経平均は大幅反発。
563.44円高の33339.26円(出来高概算6億5393万株)で前場の取引を終えている。


 前日5日の米国株式市場のダウ平均は79.88ドル安(-0.22%)と続落。
JOLT求人件数が予想を下回り労働市場の鈍化が明らかになり、景気減速を警戒した売りが広がった。
ただ、長期金利の低下でハイテク株は買い戻され、ナスダックは上昇に転じて相場の下値を支えた。
まちまちとなった米株市場を受けて、日経平均は前日比153.10円高の32928.92円と4日ぶり反発して取引を開始した。
その後は、上げ幅を広げる展開となっている。


 個別では、東エレク (TYO:8035)やディスコ (TYO:6146)、レーザーテック (TYO:6920)などの半導体関連株が堅調に推移。
また、トヨタ自 (TYO:7203)やホンダ (TYO:7267)などの自動車関連株、三菱商事 (TYO:8058)や三井物産 (TYO:8031)などの商社株、川崎船 (TYO:9107)や日本郵船 (TYO:9101)などの海運株も上昇。
ソフトバンクG (TYO:9984)、ソニーG (TYO:6758)、ファーストリテ (TYO:9983)、キーエンス (TYO:6861)、TOWA (TYO:6315)、アドバンテ (TYO:6857)、リクルートHD (TYO:6098)なども上昇した。
ほか、半導体製造装置向け基幹部材の増産報道が伝わった東洋炭素 (TYO:5310)が大幅高、さくらインターネット (TYO:3778)、ウェルビー (TYO:6556)などが値上がり率上位となった。


 一方、三井住友 (TYO:8316)やみずほ (TYO:8411)などの金融株の一角が軟調に推移した。
また、ゼンショーHD (TYO:7550)、GSユアサ (TYO:6674)なども下落した。
ほか、公募増資など実施による株式価値の希薄化を嫌気されたトモニHD (TYO:8600)がストップ安、11月既存店売上高が10カ月連続で前年上回るも伸び率が鈍化したジンズホールディングス (TYO:3046)が急落、タツモ (TYO:6266)、日精エー・エス・ビー機械 (TYO:6284)、ネットプロHD (TYO:7383)などが値下がり率上位となった。


 セクターでは、電気・ガス業、精密機器、電気機器などすべての業種が上昇した。
東証プライム市場の値上がり銘柄は88%、対して値下がり銘柄は10%となっている。


 今日の東京株式市場は買いが先行した。
前日の米株式市場でダウ平均は下落したが、米長期金利の低下を受けてナスダックが反発したことが、東京市場でハイテク株やグロース(成長)株の株価を支える要因となった。
また、日経平均は昨日までの3日続落で700円を超す下げとなったことから、押し目待ちの買いも入りやすかった。
そのほか、テクニカル面でも25日移動平均線付近がサポートラインとして意識された可能性もある。
アジア市況では、香港ハンセン指数が堅調に推移する一方で、上海総合指数は冴えない動きとなっている。


 さて、後場の日経平均も上げ幅を広げる展開が続くか。
米株先物の動向を横目に、下値不安材料に乏しい中、東証プライム市場の主力株中心に物色が続きそうだ。
米国では10月の求人件数が2021年3月以来の低水準となり米長期金利が低下したほか、市場では欧州中央銀行(ECB)が来年1-3月に金融緩和サイクルを開始するとの見方が広まっている。
一方で、ブラックロックやゴールドマン・サックスのストラテジストをはじめとするウォール街の一部有力者は、利下げへの期待感は行き過ぎと警告している。
ひとまず、各国の金融政策の動向は注視し続ける必要がありそうだ。

(山本泰三)
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