AIAI Research Memo(1):保育・療育・教育を提供する「AIAI三育圏」(1)

Fisco

発行済 2023年12月19日 13:51

*13:51JST AIAI Research Memo(1):保育・療育・教育を提供する「AIAI三育圏」(1) ■要約

AIAIグループ (TYO:6557)は、経営理念に「夢に向かって成長しつづけよう」、グループビジョンに「人口問題の解決」を掲げ、特に未就学期の子どもに関する事業として東京・千葉・大阪を中心に「保育・療育・教育」を一体的に提供し、3つの事業のシナジー効果を最大化させる「AIAI三育圏」を展開している。


1. 認可保育園AIAI NURSERYと多機能型施設AIAI PLUSが主力
同社は千葉県・東京都・大阪市及び神奈川県を事業エリアとして、認可保育園AIAI NURSERY、多機能型施設(児童発達支援及び保育所等訪問支援事業所)AIAI PLUSを主力に、幼児教育プログラム等も展開している。
2024年3月期上期はAIAI NURSERYを5施設新規開設し、上期末時点の施設数はAIAI NURSERYが86施設、AIAI PLUSが17施設、AIAI MAISON、AIAI HOUSE、AIAI FACTORYが各1施設の合計106施設となった。
認可保育園経営数は業界6位規模である。
また同社は療育分野の需要増に対応してAIAI PLUSの新規開設も推進している。


2. 特色ある独自の幼児教育プログラムなどが特徴・強み
同社の特徴・強みとしては、特色のある独自の幼児教育プログラムが高い評価を得ていること、千葉県・東京都・大阪市に集中したドミナント戦略によって効率よく展開しているなどがある。
さらに近年需要が高まっている療育の分野においても豊富なノウハウと実績を有している。
この結果、特に千葉県においては圧倒的なシェアを誇っている。
なお認可保育園の収益特性としては一般的に、新規施設開設時は費用先行や低在籍数・低在籍率で赤字だが、開設後3~4年目以降になると在籍数増加・在籍率上昇によって収益化(黒字化)する。
AIAI PLUSはAIAI NURSERYと同じ建物で運営できるケースもあり、AIAI NURSERYに比べて投資額を抑えられることに加え、AIAI NURSERYとのシナジー効果で集客力や採用力の強化、戦略的な人員配置などにつながるメリットなどもある。
さらにAIAI NURSERYは4月1日オープンを原則とするが、AIAI PLUSはオープン時期を自由に設定できるという柔軟性もあることなどから、AIAI PLUSはAIAI NURSERYに比べて早期の収益化が期待できる。


3. 2024年3月期第2四半期累計は営業黒字定着
2024年3月期第2四半期累計の連結業績は売上高が前年同期比6.9%増の5,649百万円、営業利益が205百万円(前年同期は286百万円の損失)、経常利益が154百万円(同354百万円の損失)、親会社株主に帰属する四半期純利益が18百万円(同836百万円の損失)だった。
売上面では、新規施設としてAIAI NURSERYを5施設開設(うち1施設は定員を拡大し移転)したほか、既存施設において園児数が順調に増加して充足率が上昇したため増収と順調だった。
利益面は営業黒字だった。
増収効果や充足率上昇効果に加えて、保育士の適正配置推進や離職率の低下とともに採用を慎重に行ってきたため採用費が想定を下回ったこと、施設運営や業務の効率化によって人件費や経費の増加を抑制できたことなども寄与した。
四半期別に見ると、売上面は新規施設開設と期中の充足率上昇によって増加基調である。
また売上高の増加に伴って売上原価率と販管費比率が低下傾向となり、営業損益は2023年3月期第2四半期に33百万円の黒字に転換した後は営業黒字が定着した状況となっている。


4. 2024年3月期通期は営業・経常利益を大幅に上方修正、さらに再上振れ余地あり
2024年3月期の連結業績予想は、2023年11月2日付で修正(営業利益を150百万円、経常利益を350百万円それぞれ上方修正)して、売上高が前期比4.4%増の11,300百万円、営業利益が同333.6%増の350百万円、経常利益が同69.3%増の700百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が200百万円(2023年3月期は506百万円の損失)としている。
売上面は新規施設開設や既存施設における園児数増加と充足率上昇により期初想定水準の増収を見込む。
なお下期にはAIAI PLUSの新規開設3施設を予定している。
営業利益については施設運営や業務の効率化によって人件費や経費の増加を抑制できることなども寄与する見込みだ。
経常利益については施設開設補助金が想定を上回ることも寄与する。
親会社株主に帰属する当期純利益については、上期に減損損失を計上したため期初予想を据え置いた。
なお減損損失は2023年3月期との比較では減少するため、親会社株主に帰属する当期純利益は黒字転換予想としている。
営業利益の上期進捗率が58.6%と高水準であること、期末に向けてさらなる充足率上昇効果や生産性向上効果が期待できることなどを勘案すれば、通期会社予想に再上振れ余地があるだろうと弊社では考えている。


5. AIAIグループ中期経営計画2023~2025
同社は2023年5月にAIAIグループ中期経営計画2023~2025を策定した。
テック分野の位置付け見直し、訪問支援サービスや幼児教育プログラムなどの新たなビジネスモデル構築も織り込んだ。
目標数値としては2026年3月期の売上高120億円~130億円、営業利益3億円~5億円、3ヶ年累計投資額6.8億円などを掲げた。
基本戦略としては、AIAI NURSERYとAIAI PLUSを中心とした「AIAI三育圏」によるグループシナジー効果の最大化を推進する。
具体的戦略としては、AIAI NURSERYについては2026年3月期末の施設数を89施設の計画としている。
M&Aも視野に入れるが、自前の新規施設開設スピードを抑えて利益の安定成長を推進する。
AIAI PLUSについては2026年3月期末の施設数を21施設の計画としている。
AIAI NURSERYに次ぐ成長の柱として育成を継続するが、サービス品質のさらなる向上と収益の最大化を図るべく作業療法士など有資格者の獲得・育成に注力するため、人材獲得・育成ペースに合わせた出店計画を新たに策定した。
同時に、専門家が保育施設を訪問してプログラムを提供する保育所等訪問支援を軸に、新たなビジネスモデルを構築して収益拡大を図る。


(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)

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