米国株式市場=小幅安、年末ラリーが一服 3指数とも年間で2桁高

Reuters

発行済 2023年12月30日 07:53

[ニューヨーク 29日 ロイター] - 2023年最後の取引日となった29日の米国株式市場は小幅安で取引を終えた。来年の米利下げ期待を背景とする年末ラリーが一服した。

年間では主要3株価指数がいずれも2桁の上昇を記録した。

ウェルススパイア・アロバイザーズのシニア・バイス・プレジデント、オリバー・パルシェ氏は「24年に向けて楽観できる理由はある」と指摘。米主要3株価指数はこの日、全て値下がりしたが、「今日の小幅安には理由がない。何のニュースもない」とし、小幅安の要因は「土壇場のポートフォリオ変更、新年を控えての利益確定、そしておそらくリバランス」とした

小型株で構成するラッセル2000指数は年間で15.1%上昇。10月下旬時点での年初来7.1%安から急回復した。

主要3株価指数は9週連続で上昇。S&P総合500種は04年1月以来、ダウ工業株30種とナスダック総合は19年初以来となる最長の連騰記録となった。

S&P500は22年1月3日につけた終値の過去最高値まであと1%に迫っている。終値でこの水準(4796.56ポイント)を上回れば強気相場入りが確認される。

今年は3月の米銀行危機、人工知能(AI)関連ブーム、イスラエルとイスラム組織ハマスの戦争に起因する原油供給不安、米連邦準備理事会(FRB)の制約的な政策による米リセッション(景気後退)入り懸念などで波乱含みの年だった。

ただ、インフレ鈍化を受けてFRBが来年利下げへの道を開いたことで金利が低下し、米国株の年末ラリーにつながった。

この日はS&P500の主要11セクターのうち、不動産が最も下落。一方、主要消費財とヘルスケアのみ上昇した。

年間では情報技術、通信サービス、一般消費財がアウトパフォームする一方、公益事業、エネルギー、主要消費財は下落した。

個別銘柄では、ウーバー・テクノロジーズが2.5%安、リフトが3.5%安となった。ノムラがライドシェアサービス業を格下げしたことを受けた。

来週月曜日の1月1日は元旦のため休場となる。

ニューヨーク証券取引所では値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を2.46対1の比率で上回った。ナスダックでも2.41対1で値下がり銘柄が多かった。

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米取引所の合算出来高は105億8000万株。直近20営業日の平均は124億3000万株。

終値 前日比 % 始値 高値 安値 コード

ダウ工業株30種 37689.54 -20.56 -0.05 37701.63 37759.43 37538.80

前営業日終値 37710.10

ナスダック総合 15011.35 -83.78 -0.56 15099.20 15111.41 14955.37

前営業日終値 15095.14

S&P総合500種 4769.83 -13.52 -0.28 4782.88 4788.43 4751.99

前営業日終値 4783.35

ダウ輸送株20種 15898.85 -103.26 -0.65

ダウ公共株15種 881.67 -0.88 -0.10

フィラデルフィア半導体 4175.47 -33.21 -0.79

VIX指数 12.45 -0.02 -0.16

S&P一般消費財 1418.09 -9.05 -0.63

S&P素材 539.62 -2.10 -0.39

S&P工業 964.73 -1.92 -0.20

S&P主要消費財 762.32 +1.24 +0.16

S&P金融 626.35 -1.75 -0.28

S&P不動産 251.58 -2.99 -1.18

S&Pエネルギー 640.05 -1.53 -0.24

S&Pヘルスケア 1590.36 +0.50 +0.03

S&P通信サービス 246.00 -1.24 -0.50

S&P情報技術 3397.16 -9.48 -0.28

S&P公益事業 321.92 -0.29 -0.09