米家電IT見本市が9日開幕、今年はAI搭載製品の展示一色に

Reuters

発行済 2024年01月05日 09:00

更新済 2024年01月05日 09:10

Max A. Cherney Abhirup Roy

[サンフランシスコ 4日 ロイター] - 世界最大級の家電IT見本市「CES」が9─12日にラスベガスで開催される。対話型人工知能(AI)「チャットGPT」を世に送り出して2023年の生成AI普及の立役者となった米新興企業オープンAIのサム・アルトマン最高経営責任者(CEO)こそ姿を見せないものの、今年の会場はAI搭載製品の展示一色になる見通しだ。

ピッチブックのデータによると、23年1月から12月初めまでの生成AI関連プロジェクト向け資金調達総額は237億8000万ドルと、22年の5倍以上に膨らんだ。

ロペス・リサーチのハイテク担当アナリスト、ミラベル・ロペス氏は今年のCESについて「AIを使っていない製品なら話題にする価値などない」とまで言い切った。

こうした中でドイツのボッシュは、学校での銃撃事件を未然に防ぐためにAIを駆使した新たな銃検知システムを公開する見通し。システムの存在が一見するとほとんど分からない点に特徴がある。

NECは、携帯端末を通じて顔パターンや学校児童の体調、精神状態を分析できるAIソフトウエアを発表する。

自動車関連では、運転手がAI利用の監視システムやアシスタント機能などでより円滑で安全な走行ができる仕組みが幾つか公開される。

AIによる音声アシスタント技術などを手がけるセレンスは、ドイツのフォルクスワーゲン(VW)との提携を打ち出す見込み。イスラエルに拠点を置くシピアは、運転手の注意力低下や眠気の兆候を監視するシステムを明らかにする。

BMWやトヨタ自動車を顧客に抱えるアマゾンウェブサービス(AWS)の自動車・製造事業バイスプレジデント、ウェンディ・バウアー氏は、多くの自動車メーカーがコスト節減目的でさまざまな生産工程においてもAIを採用していると指摘した。