ムサシ Research Memo(7):独自開発製品「RoDA」でデジタルアーカイブ分野へも展開

Fisco

発行済 2024年01月11日 12:47

更新済 2024年01月11日 13:00

*12:47JST ムサシ Research Memo(7):独自開発製品「RoDA」でデジタルアーカイブ分野へも展開 ■中長期成長戦略

(3) デジタルアーカイブへの展開:「RoDA」の活用
ムサシ (TYO:7521)は、メディアコンバート事業で蓄積した経験と技術を生かしてデジタルアーカイブシステム「RoDA(ローダ)」を独自開発している。
この「RoDA」を使うことで、様々なスキャナー・デジタルカメラで作成された高精細な画像を効率的に圧縮し、高精細なままストレスフリーでの閲覧が可能になる。


貴重な文化遺産をインターネットに公開することで、一般の利用や研究の連携を促進したいとのニーズは多いが、「RoDA」を使うことで、これらのニーズに対応することが可能になる。
さらに資料を電子化することで、スローファイアー(酸性紙劣化)による破損や散逸の危機から守ることができる。
また同社では、システム開発から運営管理、コンテンツ作成までを一貫してサポートしており、ユーザーはワンストップで問題解決ができるのも特長だ。


また「RoDA」は、美術館や博物館、図書館などで所蔵されている貴重な文化資産だけでなく、災害や身近な生活記録、企業保有のデジタル資産などを「次世代に伝承する」ためのツールとして様々な分野で導入され始めており、今後の展開が楽しみである。


2. 業務用ろ過フィルター事業
同社は、富士フイルムの業務用ろ過フィルター「ミクロフィルター」の販売代理店事業を展開している。


富士フイルムのミクロフィルターはこの市場では後発組(先発は主に外資系企業)であるが、独自の非対称膜構造による優れたろ過機能やロングライフ(長寿命)をセールスポイントに着実に販売を伸ばしている。
同社の事業は2018年1月にスタートし順調に拡大してきた。
残念ながら2021年3月期にはコロナ禍の影響により売上高は落ち込んだが、2022年3月期の売上高は、647百万円(前期比20.0%増)と回復し、2023年3月期は698百万円(同7.9%増)となった。
さらに2024年3月期は半導体業界の影響を受けて689百万円(同1.3%減)予想となっている。
需要がこれまでの食品・飲料向け中心から、半導体向けなどのエレクトロニクス業界向けに広がりつつあるのは注目に値する。


3. 印刷システム機材
(1) 様々な厚みに対応する多目的プリンター
同社が販売する「多目的プリンター」は、プリンターヘッドの高さが自動で調整されることで様々な厚みに対応し、多種多様な材料に出力が可能である。
具体的には、段ボール素材、紙袋、和紙、不織布、木箱など様々な素材や高さがある成型済み素材への印刷が可能となった。
ブランドオーナー向けの次世代プリントソリューションとして多くの需要が期待できる。


(2) カッティングプロッター「FB9000PRO」を発売
カッティングプロッターとは、シート状の素材をペン状のカッターで図柄に合わせて自由な形状にカットする機械。
パッケージ、POP、シールなどショップの販促物や製箱など様々な用途に活用できる。


4. 金融・汎用システム機材:新紙幣への対応
日本では、2024年7月に新紙幣が発行される予定となっている。
これに伴い関連製品の更新需要が出てくる見込みだ。
金融市場だけでなく、流通・小売市場も対象になるので、同社では関連製品の開発を進めている。
さらに、各種製品の更新需要だけでなく、関連したソフトウェアの変更に伴う保守売上の増加も期待できる。


5. 選挙システム機材
選挙関連の市場に対しては“成熟市場”というイメージもあるが、弊社では依然として“成長市場”だと捉えている。
そう考える理由は、国政選挙の有無で年ごとの市場規模が大きく変動するなかにあっても、peak-to-peakで見れば右肩上がりで推移しているからだ。
事実、2022年3月期の選挙システム機材の売上高(単体ベース)は過去最高となった。


また同社では現在、選挙関連の売上高の平準化を図るべく「業務管理ソフト」の開発を進めている。
これは、デジタル庁が推進しているDXに伴い、総務省などが進めている自治体情報システムの統一・標準化に準拠したものだ。
これにより、住民基本台帳関連業務の4システム(名簿管理システム、期日前投票システム、当日投票システム、在外投票システム)が標準化される。
同社では、この業務管理システムをクラウド(月額課金方式)で各自治体へ提供する計画で、これにより選挙のない期間でも売上を確保することになり、事業が平準化される。
計画では、2025年度中に各自治体がシステムを移行予定だ。


同社の試算では、2025年までに名簿管理システム315.3%増、期日前投票システム143.9%増、当日投票システム124.1%増、在外投票システム122.2%増となる見込みだ。
これにより、同社の業績が上向くのは言うまでもないが、これらシステムの導入により、その後も選挙の有無にかかわらず「保守・管理」の売上が継続する点は同社にとって大きなメリットである。


(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)

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