ニデック、中国でEV駆動装置苦戦 「価格がぼんぼん下落」と永守会長

Reuters

発行済 2024年01月24日 15:34

更新済 2024年01月24日 20:27

Miho Uranaka

[東京 24日 ロイター] - ニデック(旧日本電産)は24日、2024年3月期の連結営業利益(国際会計基準)予想を前年比80.1%増の1800億円に下方修正した。従来予想の2200億円から18.2%引き下げた。中国で電気自動車(EV)の価格競争が激化している影響を受け、駆動装置事業で構造改革費用を計上する。成長領域としてきた同事業を再スタートしたい考え。

永守重信・会長兼最高経営責任者(CEO)は苦戦する中国市場について、モーターと減速機、インバーターを一体化したEV向け駆動装置「イーアクスル」の「価格がぼんぼん落ちて、想定と全然違う水準になってしまった」と説明。「50年間の会社経営の中で、競争相手もお客さんも全部赤字なんて事業は初めて」と語った。

下方修正後の営業利益見通しは、IBESがまとめたアナリスト18人の予想平均値2196億円を下回った。

ニデックは今年度、イーアスクルの販売台数見通しを2回引き下げていた。2度目の下方修正となった昨年10月の前回決算公表時、収益性重視の姿勢を明確にして車載事業の戦略方針を転換した。それに伴い、今回の決算発表では在庫の減損処理など一時費用として通期業績見通しに450億円を織り込んだ。

ニデックが新たに公表したイーアクスル事業の来年度業績見通しによると、上期まで赤字が続き、10─12月期に黒字転換、25年1─3月期に45億円の営業利益を計上する。米クライスラーなどを傘下に抱える欧州自動車大手ステランティスとの合弁会社の販売が伸びる上、国内自動車メーカーからの受注も寄与すると見込む。