Joyce Lee Heekyong Yang
[ソウル 25日 ロイター] - 韓国の半導体大手、SKハイニックスが25日公表した2023年10─12月期決算は、営業損益が3460億ウォン(2億5980万ドル)の黒字に転換した。22年同期は1兆9千億ウォンの赤字、23年7─9月期は1兆8千億ウォンの赤字だった。
LSEGスマートエスティメートの集計したアナリスト23人の予想では23年10─12月期も営業損失が見込まれていた。
キム・ウヒョン最高財務責任者(CFO)は「人工知能(AI)メモリー分野での技術的リーダーシップのおかげで長引く低迷から(黒字への)転換を達成した」と説明。「AIメモリーの総合プロバイダー」への成長を目指すとした。
生成AIで使われる高帯域幅メモリー(HBM)の半導体チップといった先進のDRAM(記憶保持動作が必要な随時書き込み読み出しメモリー)が堅調で、黒字回復につながった。売上高は前年同期比47%増の11兆3千億ウォンだった。
他社に先駆けて開発した「HBM3」の売上高は23年には前年比5倍以上に増加したという。
現代自動車証券の調査担当責任者、グレッグ・ロー氏は「ホットな(AI)製品の場合、需要が非常に強く、顧客は十分な供給が得られないと不満を漏らしている。需要の低迷から徐々に回復しつつある他のメモリーとは全く状況が異なる」と述べた。
同氏は、HBMが業界全体のDRAM販売に占める割合は23年の8%から今年は15%に上昇すると予想している。
SKハイニックスは、HBM3で競争力を持ち、AIチップの製造で業界を席巻する米半導体大手エヌビディアにも納入している。さらに、新型の高帯域幅メモリー「HBM3E」を24年前半に量産することが見込まれているほか、次世代「HBM4」の開発も進めている。
SKハイニックスは市場全体について、顧客が在庫補充を必要とし、メーカーが「レガシーチップ(旧世代の半導体)」の生産を減らし続けるとして、今年の半導体価格は改善すると予想した。同社の第4・四半期決算は中国の携帯電話メーカーからの補充需要に助けられた。