米銀キャピタル・ワン、ディスカバー買収 カード事業強化へ

Reuters

発行済 2024年02月20日 07:41

更新済 2024年02月20日 13:36

Anirban Sen Michelle Price

[ニューヨーク/ワシントン 19日 ロイター] - 著名投資家ウォーレン・バフェット氏が出資する米銀キャピタル ・ワンは19日、クレジットカード大手ディスカバー・ファイナンシャル・サービシズを株式交換で買収すると発表した。買収額は353億ドル。

両社の統合が実現すると資産規模で米6位、クレジットカード事業で大きな存在感を持つ銀行となり、JPモルガン・チェースやシティグループと競合する。

ディスカバーは20カ国・地域にまたがるネットワークを持つが、ビザやマスターカード、アメリカン・エキスプレス(アメックス)には遠く及ばない。

両社は、この買収が規模や投資の拡大、決済業界最大手に対抗できる決済網構築を可能にすると表明。コスト削減や拠点の統廃合を通じて税引き前で27億ドルのシナジー達成を見込んだ。

買収条件は、ディスカバー1株に対してキャピタル・ワン1.0192株を割り当てる。ディスカバーの16日終値に26.6%を上乗せした水準。

統合会社の出資構成はキャピタル・ワンの既存株主が60%、ディスカバーの既存株主が約40%となる見込み。取締役会の総数は現段階で不明だが、ディスカバー側が3人出す予定。

キャピタル・ワンはバフェット氏の投資会社バークシャー・ハザウェイが3.28%出資する第7位株主。ニルソンによると、2022年時点の決済件数で米クレジットカード業界4位で、ディスカバーは6位だった。

<独禁審査は厳しく>

ディスカバー買収でキャピタル ・ワンは手数料収入の大幅な増加が期待できるが、反トラスト法(独占禁止法)面で当局の厳格な審査が予想される。