Renju Jose
[シドニー 27日 ロイター] - オーストラリアの政府機関である職場男女平等機関(WGEA)が27日発表した統計で、国内の民間企業に働く男性の賃金が女性を約22%上回っていることが分かった。
従業員100人以上の企業が対象で、賃金の男女差に関する初の政府発表となった。
2023年3月の「職場の男女平等法」改正で、オーストラリア企業は今年初めに男女従業員の賃金公表を義務付けられた。企業を名指しして格差是正につなげる狙いがある。
22/23年の男女の賃金格差は、総額が平均21.7%、基本給の中央値が14.5%で、いずれも男性が女性より多かった。
格差是正が最も遅れているのは大手銀行やエネルギー会社などで、総賃金中央値の格差は、豪銀最大手のコモンウェルス銀行(CBA)が29.9%、電力大手AGLエナジーは33.2%だった。
さらに、UBSやモルガン・スタンレーなど国際投資銀行の豪法人では最上級職に就く男性が女性より多いことから、賃金格差は40%を超えていた。
一方、オーストラリア最大規模の雇用者であるスーパーマーケット大手ウールワース・グループの男女賃金格差は5.7%だった。
トムソン・ロイター豪法人は28.5%だった。
男女の賃金格差は業種ごとに大きく異なり、中規模企業の格差は建設業で31.8%だったのに対し、ホテル・飲食業は1.9%だった。