米イーライリリーのアルツハイマー薬、予想外の判断延期

Reuters

発行済 2024年03月11日 14:13

Julie Steenhuysen Patrick Wingrove

[8日 ロイター] - 米製薬大手イーライリリーは、開発中の早期アルツハイマー病治療薬「ドナネマブ」について、米食品医薬品局(FDA)が承認可否の判断を延期し、外部の専門家からなる諮問委員会を開いて安全性と有効性を検討する見通しだ、と発表した。

昨年の臨床試験データでは安全性と有効性が示されており、完全な承認を見込んでいた同社と多くのアルツハイマー病専門家には驚きの展開となった。承認判断の延期は2度目。諮問委の日程は未定。開催までに数カ月かかる可能性がある。

リリー・ニューロサイエンスのアン・ホワイト社長はインタビューに応え、今回のFDAの判断延期について「全くの予想外」と述べた。承認審査プロセスの終盤だったため、同社では発売準備が整っていたという。

イーライリリー株は3%下落した一方、競合するバイオジェン株は2%超上昇した。

イーライリリーは2024年の業績予想に変更はないとしている。売上高予想は404億─416億ドルで、体重減量と糖尿病の治療薬が主なけん引役とみている。

ドナネマブを巡るLSEGのデータによると、アナリストの売上高予想の平均は24年に1億8960万ドル、25年に8億3700万ドル。