ADワークスグループ Research Memo(1):安定収益基盤を強化し、毎期10%超の利益成長を目指す

Fisco

発行済 2024年03月11日 15:01

更新済 2024年03月11日 15:15

*15:01JST ADワークスグループ Research Memo(1):安定収益基盤を強化し、毎期10%超の利益成長を目指す ■要約

ADワークスグループ (TYO:2982)は、事業法人や個人富裕層向けに投資用オフィス・一棟賃貸マンションなどの不動産物件をバリューアップ後に販売する収益不動産販売事業と、保有不動産売却までの期間に得られる賃貸収入や販売後のプロパティ・マネジメント(以下、PM)収入などで構成されるストック型フィービジネスを両輪としている。
2020年4月に持株会社体制に移行し、子会社となる(株)エー・ディー・ワークスと入れ替わる形で東京証券取引所(以下、東証)第1部に上場、2022年4月の東証市場区分見直しに伴い、プライム市場へ移行した。


1. 2023年12月期の業績概要
2023年12月期の連結業績は、売上高で前期比48.4%増の41,342百万円、経常利益で同107.5%増の1,978百万円と大幅な増収増益となり、過去最高業績を更新した。
国内で不動産物件の仕入・販売が順調に進み、主力の収益不動産販売事業の売上高が同59.8%増の35,660百万円と伸長したことに加え、取り扱い物件の大型化による販売効率の向上等で利益率も上昇した。
仕入高については金利が上昇した米国での仕入活動を抑えた影響もあり、同4.3%増の29,374百万円と若干の増加に留まったが、期末収益不動産残高については前期末比8.0%増の44,798百万円と着実に積み上げることができた。


2. 2024年12月期の業績見通し
2024年12月期の連結業績は、売上高で前期比13.7%増の47,000百万円、税金等調整前当期純利益で同11.3%増の2,300百万円と2ケタ増収増益が続く見通し。
日銀のマイナス金利政策の解除が予想されており、不動産市況が変化する可能性があるため仕入についてはやや慎重なスタンスで臨むものの、同社が対象とする大都市圏の不動産物件については海外投資家を含めてニーズが引き続き旺盛で、小口化商品の販売も含めて引き続き収益不動産販売事業がけん引する見通しだ。
低迷が続いた米国については政策金利の引き下げによる市況好転が期待されるが、状況を見極め好機と判断すれば積極仕入に転換していく方針である。
期末収益不動産残高については450億円と前期末比で若干増を想定している。


3. 中期経営計画
第1次中期経営計画(2021年12月期~2023年12月期)では、1) 資本効率を高め、超過利潤(WACC※1を上回るROIC※2)を生み持続的に向上させる経営を目指す、2) 外部資源を積極活用し、創造性と先進性に富んだ組織力を育む、3) 顧客対象を拡張し商品・サービスを広く提供する、の3点を基本方針とし、並行して“脱”不動産事業(不動産領域以外の新規事業)の育成にも取り組んできた。
このうち“脱”不動産事業の育成に関しては課題を残したが、基本方針や経営数値目標(税金等調整前当期純利益20億円、ROIC3.7%)は達成し、順調に進んだものと評価される。
2024年12月期から始まる第2次中期経営計画では、生産性向上と財務の健全性を維持しながら、市場環境の変化に耐えうる強固な経営基盤を構築し、持続的な利益成長とROICの向上を目指す方針だ。
経営数値目標としては2026年12月期の税金等調整前当期純利益で3,000百万円(前期実績2,066百万円)、ROICで4.8%(同4.0%)を目指す。
株主還元策としては、内部留保を確保しつつ、業績に応じた配当を実施していく方針で、配当性向30%弱を目安に利益成長に応じた増配を目指している。
2024年12月期の1株当たり配当金は前期比1.0円増配の9.0円(配当性向27.3%)を予定している。


※1 WACC(加重平均資本コスト)とは、複数の資金調達方法を採用している企業が、資金調達にかけているコストを正確に把握するための指標。
計算式はWACC=(株主資本÷(株主資本+有利子負債))×株主資本コスト+(有利子負債÷(株主資本+有利子負債))×有利子負債コスト×(1−税率)。
同社の場合、株主資本コスト8%、有利子負債コスト1.5%、税率35%で算出している。

※2 ROIC=NOPAT(営業利益×(1−実効税率))÷(平均株主資本+平均有利子負債)


■Key Points
・2023年12月期業績は国内の収益不動産販売事業がけん引し、大幅増収増益を達成
・2024年12月期は不動産市況の変化に備えて仕入れを抑制しつつ、2ケタ増収増益を目指す
・第2次中期計画では「人材生産性向上」と「財務健全性の維持」により毎期10%以上のEPS成長を目指す

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

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