ロジザード Research Memo(2):創業以来、WMSをクラウド経由で顧客に提供(1)

Fisco

発行済 2024年03月15日 15:22

*15:22JST ロジザード Research Memo(2):創業以来、WMSをクラウド経由で顧客に提供(1) ■会社概要

1. 会社概要
ロジザード (TYO:4391)は2001年、倉庫在庫管理システム(以下、WMS)の開発・販売を目的として埼玉県にて創業した。
社名のロジザードはLogistics(物流)とWizard(魔法使い)をつなぎ合わせた造語であり、「物流を魔法のように革新的に効率化して、業界や社会に貢献する」という想いが込められている。
創業以来、「顧客の出荷は絶対」「顧客と荷受人に迷惑をかけることがあってはならない」という精神の下、積極的なIT投資がコスト面で難しい中小企業を中心に物流業務の精度と効率性の向上に貢献してきた。


代表取締役社長の金澤茂則(かなざわしげのり)氏がアパレル業界の出身であることから、アパレル業界向けWMS「ロジザードPLUS」(2023年1月にサービス提供終了)を主力サービスとして事業を開始した。
システムに顧客のニーズを反映させる形で対象顧客を拡大し、現在では食品・飲料から化粧品、3PLに至るまで幅広い業種の顧客にクラウド経由でサービスを提供している。


今後はコロナ禍から経済社会活動が再開するなかで出現してきた新たなニーズを的確に捉え、将来の業績拡大につなげる方針だ。
具体的には、2023年8月に策定した中期経営計画の下、BtoB企業に広がるWMSニーズ、人材不足を補う自動化トレンド、店舗のスマート化とオンラインの融合といった新たなトレンドを自社の業績に取り込んでいく。
そのために、研究開発や人材採用・育成に先行投資し、中長期的な業績拡大と企業価値の向上に向けて事業基盤をより強固にしていく。


2. 事業内容
同社の事業は、クラウド経由でWMSを提供する「クラウドサービス」、クラウドサービスの利用顧客に対してシステムの導入支援・サポートを行う「開発・導入サービス」、バーコードラベルを作成する専用プリンターなど倉庫作業に必要な機器の販売を行う「機器販売サービス」の3つに大別される。
2024年6月期第2四半期のサービス別の売上構成比は、クラウドサービスが78.4%、開発・導入サービスが16.9%、機器販売サービスが4.6%となっている。
主力であるクラウドサービスは顧客から月額利用料を徴収するサブスクリプションモデルである。
一度導入した後は自動的かつ定期的に収益が発生するため利益率が高く、安定した収益基盤となっている(2024年6月期第2四半期の営業利益率は17.4%、2023年6月期のROE(自己資本当期純利益率)は11.4%)。
一方、開発・導入サービス、機器販売サービスに関しては、顧客からの発注を受け、納品した際に収益が発生するビジネスモデルとなっている。


(1) 倉庫在庫管理システム「ロジザード ZERO」
小売業、流通業、3PL企業を顧客として倉庫内に保管されている商品(在庫)の数を正確に把握するとともに、倉庫内作業の効率化を実現するシステムである。
商品の入荷から出荷、返品、庫内での棚移動まですべての商品の動きをバーコードで読み取り、物理的に管理することで、「正確な在庫管理」「誤出荷の防止」「倉庫内作業の効率化(標準化)」を実現している。
主な機能は、物流現場の効率化・省力化を実現するためのマテハン・物流ロボットとの連携機能、賞味期限などの有効期限を管理する商品管理機能のほか、リピート通販の正確性・効率性を向上させる同梱物管理機能、保管場所や商品から在庫照会が可能な在庫・状況照会機能、ログインパスワード管理などができるセキュリティ対応機能、「ロジザードZERO-STORE」との連携による店舗在庫管理機能など、多岐にわたる。
バーコードを読み取るハンディターミナルはオプションとしてレンタルしており、バッテリーの無償交換、故障機の即日交換などにも対応している。
そのほか、据え置き型のバーコードリーダーなどもオプションとして提供しており、顧客の利便性を向上させるために適宜オプション機能を追加し、製品強化を図っている。


また、サポート専任チームによる充実したサポート体制、最短1ヶ月で導入可能なスピード実装、外部システムとの多彩な連携も同サービスの強みだ。
最小限のカスタマイズで様々な外部システムと連携できるため、顧客は低コスト・短期間でサービスを導入できる。
特に、荷主からのタイトなスケジュールに対応しなくてはならない3PL企業に対しては、導入までの期間が短く、荷主の指定する出荷日までに確実にシステムを稼働させることができる安心と信頼のサービス力が訴求ポイントになっている。
外部システムとの連携は着実に進行しており、2022年11月にマルチチャネルコマースプラットフォーム「Shopify」との連携を開始したほか、2023年4月にはアパレル向け販売・在庫管理システム「アラジンオフィス for fashion」とのシステム連携を強化した。
2024年6月期第2四半期は、物流倉庫レポートツール「Quick Loda」とシステム連携の実証実験を開始し、倉庫内の作業進捗や生産性などの数値の可視化を目指している。


具体的な活用シーンとしては、消費者からの注文を受けた際のピッキング作業がある。
「ロジザードZERO」から「対象の商品は棚の下から2番目の右から3番目。
同商品を梱包し、〇〇宛に出荷してください」といった指示があり、正確なピッキング作業が可能になる。


(2) 店舗在庫管理システム「ロジザードZERO-STORE」
「ロジザードZERO-STORE」は、店舗における在庫管理の効率化を実現するシステムである。
主な機能は、在庫管理、POSレジ(他社製品との連携でオプション提供)、分析ツールの3つである。
分析ツールは、店舗での売上げを自動で集計・分析する機能を持ち、販売戦略の立案に活用することができる。
在庫管理とPOSレジについては、管理者(本部)と事業所(店舗)それぞれに有用な機能を提供している。
在庫管理においては、管理者向けに在庫管理・売上管理・棚卸管理などの機能を提供している。
例えば、本部が各事業所のデータを一元管理できるようになり、各事業所の効率的管理や全体最適化に有効だ。
事業所向けにはスマートフォンを利用した売上げ・在庫登録機能、他店舗の在庫をリアルタイムで確認できる他店舗在庫照会機能などを提供している。
これらの機能によって、店舗作業の効率化と消費者への迅速な対応が可能となる。


POSレジは、タブレット端末を利用する精算業務支援サービスと連携して提供している。
クレジットカード処理などの基本的なレジ機能に加えて、値引きなどの単価変更、領収書印刷、店舗売上データの本部への送信機能などがある。
レシートプリンターやハンディターミナルといった周辺機器との連携も容易で、汎用性の高さも特徴だ。
低コストで導入可能な点も魅力である。
高価なPOSレジの代わりにタブレット端末でクラウド経由でサービスを受けられるため、中小規模の企業でも気軽に導入することができる。
2023年9月には高機能クラウドPOSレジ「スマレジ」との連携を開始しており、顧客の利便性と同システムの訴求力を向上させている。
また、短期間での導入や充実したサポート体制なども、ほかのサービスと同様に顧客から支持される要因の1つになっている。


具体的な活用シーンとしては、消費者から商品の在庫に関する問い合わせがあった際に、スマートフォンでの在庫の確認、在庫がある場合にはバックヤードのどの棚にあるかの確認などができ、消費者への迅速な対応が可能となる。


(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水陽一郎)

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