電算システムHD Research Memo(1):2023年12月期は売上高、営業利益、経常利益が10%以上増加

Fisco

発行済 2024年03月25日 11:41

*11:41JST 電算システムHD Research Memo(1):2023年12月期は売上高、営業利益、経常利益が10%以上増加 ■要約

電算システムホールディングス (TYO:4072)は総合情報処理サービス企業である。
システム構築のSI(システムインテグレーション)・ソフト開発、情報処理サービスなどを手掛ける「情報サービス事業」と、コンビニエンスストアでの払込票決済サービスや国際送金サービスなどを手掛ける「収納代行サービス事業」の2つの分野で事業を展開している。
そして、3つ目の主要事業にすべく、データセンターを中心にしたクラウドサービス事業と、業務の一部またはすべてを代行するBPO(業務処理アウトソーシング)事業にも積極的に取り組んでいる。
2021年7月に単独株式移転による持株会社の設立及び連結子会社の吸収合併を実施し同社を設立したことで、迅速かつ効率的なグループ運営のほか、成長戦略の1つであるM&Aや業務提携などを今まで以上に積極的に推進する体制を整えた。


1. 2023年12月期の業績概要
2023年12月期業績は、売上高59,591百万円(前期比11.4%増)、営業利益3,964百万円(同16.1%増)、経常利益4,018百万円(同12.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益2,004百万円(同14.7%減)となった。
情報サービス事業及び収納代行サービス事業いずれも新規取引先などの稼働増加により売上を伸ばしたが、収納代行サービス事業の売上が想定を下回り、期初計画売上高62,500百万円には未達となった。
情報サービス事業は各業務システム等の開発案件や、Googleなどのクラウドサービス分野、情報セキュリティ商材が引き続き好調で、増収に貢献している。
利益面では営業利益、経常利益は増益、計画値も達成した。
しかしながら、親会社株主に帰属する当期純利益は、(株)マイクロリサーチを連結子会社化した際に生じたのれんが計画を下回って推移していることに伴うのれんの減損損失、及びグループで保有する投資有価証券に係る評価損の特別損失計上により減益となった。
情報サービス事業は、増収といった増益要素はあったものの、ソフトウェア開発において一部案件が不採算化したこともあって減益となった。
収納代行サービス事業については、前期に稼働した大口先やスマホ決済の増加、システム運用の効率化が奏功し、利益率が改善して増益を達成した。


2. 2024年12月期の業績予想
2024年12月期業績は、売上高65,700百万円(前期比10.3%増)、営業利益4,100百万円(同3.4%増)、経常利益4,120百万円(同2.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益2,790百万円(同39.2%増)を見込んでいる。
情報サービス事業においては、SI・ソフト開発で、クラウド、AI、IoTといった技術の活用を要望する企業は引き続き多く、同社は順調に受注を獲得できると考えている。
その他Google Workspace等で引き続き伸びが見込まれるほか、情報処理サービスでも、請求書作成代行サービスが順調に拡大すると見込まれる。
収納代行サービス事業においては同社で取り扱いを始めた多様な決済サービスを提案するほか、自治体向けの営業も強化する考えで、これらが業績をけん引することになりそうだ。
一方で、コンビニ国際送金サービスを終了することに伴い、送金サービスは売上減を見込んでいる。


3. 商社向け購買ソリューション「PB Pass(TM)」の提供を開始
グループ会社である(株)電算システムは2024年2月、物品や役務の仕入・販売をメインに行う商社を対象とした購買ソリューション「PB Pass(TM)」の提供を開始した。
従来商社が抱えていた、取引先からの引き合いがあった場合に複数の仕入先に見積依頼を行う煩雑さを効率化できるほか、取引先への見積回答やその後の販売、支払等の手続管理を一気通貫で対応できる機能を提供する。
同社は、ある程度の取引規模のある企業であれば商社に限らず導入メリットがあると考えており、新たな顧客開拓ツールとして有効に活用できると考えている。


■Key Points
・2023年12月期は情報サービス事業が増収をけん引し、収納代行サービス事業も大きく伸長
・情報サービス事業ではGoogle事業の売上が拡大。
収納代行サービス事業においては新規顧客の取り扱いが増加
・2024年12月期は増収増益を見込む。
提携先との共創ビジネスも推進

(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)

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