車載先端半導体連合にスズキと日立アステモ参画、政府が10億円補助

Reuters

発行済 2024年03月29日 14:01

更新済 2024年03月29日 18:27

Maki Shiraki

[東京 29日 ロイター] - 日本の自動車メーカーや半導体関連企業など計12社からなり、高性能な車載半導体の開発を目指す「自動車用先端SoC技術研究組合(ASRA)」は29日、スズキと部品メーカーの日立Astemo(アステモ)が新たに加わると発表した。経済産業省は同日、ASRAの研究開発に約10億円を補助することも表明した。

2社の新規加入は既存の参画企業が推薦した。自動運転などを巡る半導体の開発費用は巨額で、参画企業は協調分野で連携してコストを抑える狙い。先行する海外勢に対抗すべく、日本勢が結束し、産業競争力を高める。

ASRAの山本圭司理事長(トヨタ自動車のシニアフェロー)は会見で、半導体の性能が車の性能も大きく左右する中、「現状、欧米の半導体メーカーの優勢は否めない」と指摘。日本勢が「1つのチームとして開発を進める必要がある」と話した。外注では望む納期に半導体を入手することも難しくなっているという。各社が土台部分で協調することで「日本の半導体業界の底上げにも貢献していきたい」と述べた。

日本勢は電気自動車だけでなく、ハイブリッド車、燃料電池車など多様な選択肢で脱炭素化を図る方針だが、山本氏は「残念ながら車の多様性を吸収できる(半導体の)設計はない」とし、車側の要求に応える設計仕様にしたいとした。参画企業の数は、開発や意思決定を迅速にするため「やみくもに増やす計画は今のところない」と語った。