Reuters
発行済 2024年04月25日 16:55
Miho Uranaka
[東京 25日 ロイター] - 大和証券グループ本社は25日、2024年1―3月期の連結経常利益が前年同期比84.2%増の567億円、純利益が同131.2%増の395億円だったと発表した。好調な株式市況を背景に、個人投資家向けのファンドラップの契約や株式投信販売が増加、機関投資家の株式投資も増えて利益を押し上げた。会見した吉田光太郎最高財務責任者(CFO)によると「4月もまずまず順調なスタート」という。
通期の経常利益は1745億円で、9年ぶりの高水準。全部門で増収増益となった。吉田CFOは、戦略が大きく進捗したことに伴う利益で、「強い手応えを感じている」と述べた。
同社は、資産管理型ビジネスモデルへの移行と事業ポートフォリオの拡充により、安定収益の確保を進めてきた。1─3月の残高ベース収益は249億円まで拡大し、リテール営業部門の固定費を初めて上回った。
吉田CFOによると、足元の業績も好調で、ファンドラップの契約額は1―3月平均を上回り、投資信託の買い付け額は1─3月に迫るペースという。
<行き過ぎた円安には注意>
外為市場ではこの日、ドルが一時155円後半まで上昇し34年ぶり高値を再び更新した。吉田CFOは円安について、プラス面マイナス面両方あるとした上で「急激な、行き過ぎた円安水準は、コストプッシュのようなインフレを招くため、警戒すべき」との見解を示した。
円安や金利の上昇傾向に伴い、国内個人投資家の資産形成の考え方が「キャッシュ・イズ・キングからポートフォリオを考える状況になってきている」とし、強みを持つ対面営業を生かしていく意向を示した。
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