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アングル:AIで出遅れのアップル、近く戦略公表 設備コスト抑制へ

発行済 2024-05-07 18:23
更新済 2024-05-07 18:27
© Reuters. 米アップルのティム・クックCEOは2日の四半期決算発表後、間もなくAIに関する具体的な計画を示すと述べた。写真は2019年12月、米カリフォルニア州ラホヤのアップルストア
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Stephen Nellis

[3日 ロイター] - 米アップルのティム・クック最高経営責任者(CEO)は2日の四半期決算発表後、間もなく人工知能(AI)に関する具体的な計画を示すと述べた。他の巨大IT企業が続々とAI事業を打ち出す中、同社はこの1年半ほど投資家から出遅れを指摘されていた。

クック氏はロイターのインタビューで「生成AIにおける当社の機会については今も非常に強気に見ており、多額の投資を行っている」と述べ、アップルは過去5年間で研究開発(R&D)に1000億ドルを投じたと付け加えた。

他の巨大IT企業も、過去5年間に同額かそれを超えるR&D投資を行っているが、こうした企業はAIサービスを担うデータセンターの建設にも巨額を投じている。

マイクロソフトの直近四半期の設備投資は140億ドル、グーグルは120億ドル。メタ・プラットフォームズは先週、投資家に対し、今年の設備投資が最大400億ドルに達するとの見通しを示した。

しかし、アップルの発想は違い、昨年1年間の設備投資は100億ドル強にとどまった。投資家は、同社がAI分野で出遅れているとの懸念を抱き、株価は今年に入って10%下落していた。

ただ、同社株は3日に6.4%上昇し、最近の下落分を一部取り返した。

一方、生成AI事業を支配しようと奮闘しているメタ、グーグルの親会社アルファベット、マイクロソフトの株価はいずれも、過去最高値を更新している。

投資家は同時に、AIモデルの学習に必要なデータセンターや特殊なプロセッサーが目もくらむほど高額であることに警戒感を抱いてもいる。

こうした中でアップルは2日、同じ轍(てつ)は踏まないと示唆した。同社は来月開かれる年次ソフトウエア会議で新たなAI関連機能をお披露目するとともに、AI対応半導体によって商品ラインを刷新する見通しだ。

ただ、ルカ・マエストリ最高財務責任者(CFO)は投資家に対し、設備投資の取り扱いが大きく変わるとは予想しないでほしいと告げた。

マエストリ氏は、製造コストをサプライヤーと分担することで引き下げ、キャッシュを生み出してきた数十年来のアップルの習慣を指摘。「データセンターに関しても似たようなことを行う。自前のデータセンター能力に加え、第三者の能力も利用する。このモデルは伝統的に当社にとってうまく機能しており、今後も同じ路線を続ける計画だ」と述べた。

端末上で直接動くチャットボット(自動対話システム)などのAI機能が、スマートフォンやタブレット端末、ラップトップの売り上げ急増をもたらすかどうかはまだ分からないため、この路線はアップルにとって妥当かもしれない。

クリエイティブ・ストラテジーズのベン・バジャリン氏は、より優れたプロセッサーが「売り上げ増に寄与するだろうが、スーパーサイクル(数十年の周期で起こる循環)になるとまでは思わない。慎重に期待を抑制する必要がある」と語った。

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