アルファベット、第2四半期は上場来初の減収 予想は上回る

Reuters

発行済 2020年07月31日 07:19

更新済 2020年07月31日 12:27

[オークランド(米カリフォルニア州)/ベンガルール 30日 ロイター] - 米グーグルの持ち株会社アルファベット (O:GOOGL)が発表した第2・四半期決算は、売上高が16年前の上場以来初めて減少した。ただ、新型コロナウイルスの感染拡大の中、同社のウエブ検索、動画閲覧、テレビ会議などの無料サービスに需要が高まり、広告主を維持したことから、市場予想ほどは落ち込まなかった。

また、コロナ禍で3月に大きく落ち込んだグーグルの広告収入について、6月末までに回復が見られたとしたことから、減収を巡る懸念が和らいだ。

同社株は引け後の時間外取引で1552ドルと、今年の新型コロナ危機前の高値(約1525ドル)を上回る水準。

ピチャイ最高経営責任者(CEO)は第2・四半期について、「ユーザーのネット上での商業活動が回復しており、安定化の初期の兆候が見られた」と述べた上で、経済状況は依然として脆弱だと指摘した。

売上高は前年同期比2%減の383億ドル。リフィニティブがまとめたアナリストの予想平均は4%減の373億6700万ドルだった。売上高が減少するのは2004年の上場以来初めて。

売上高の約66%はグーグル検索とユーチューブの広告収入、12%はパートナーサイトの広告収入、8%はクラウト事業、14%はモバイルアプリストアなど複数の小規模事業が占めた。

ポラット最高財務責任者(CFO)は6月末時点の検索広告収入について、前年同期とほぼ同水準に回復し、「10%台半ば」の落ち込みとなった3月から大幅に改善したと述べた。

同氏によると、ユーチューブの広告収入は第2・四半期に6%増加し、6月下旬には伸びがさらに加速した。パートナーサイトの広告収入は10%減少したものの、6月末にかけて広告主の支出が戻り始め、幾分改善したという。

アルファベットは自社株買い枠を280億ドル拡大することも発表した。また、不動産などへの支出を減らす一方で、新卒者の大量採用は引き続き実施すると表明。ポラット氏は「将来の職場のあり方をどう考え直すか」が大きな課題である、と語った。