米企業、TikTok米事業株式6割超取得へ IPO計画も=関係筋

Reuters

発行済 2020年09月18日 03:44

更新済 2020年09月18日 13:36

[ワシントン 17日 ロイター] - 中国・北京字節跳動科技(バイトダンス)傘下の短編動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」の米事業を巡る提携案で、米ソフトウエア大手オラクル (N:ORCL)など米企業が同事業の少なくとも60%の株式を取得する見通しであることが複数の関係筋の話で分かった。

またバイトダンスは、提携案が米政府によって承認された場合、新たに誕生する「TikTokグローバル」の米上場を計画している。関係筋が17日明らかにした。米市場での新規株式公開(IPO)は約1年以内に実施される可能性があるという。

関係者によると、米財務省が16日遅く、バイトダンスにタームシート(条件規定書)の改訂版を提出。新会社「TikTokグローバル」の取締役会は米国人が過半数を占め、最高経営責任者(CEO)も米国人が就任するという。オラクルは新会社の株式20%を取得することで合意した。

ウォルマート (N:WMT)も新会社の一部株式を取得した場合、ダグ・マクミロン最高経営責任者(CEO)が取締役に就任する見通しという。

メドウズ米大統領首席補佐官は記者団に、状況は依然として流動的だと発言。「現時点では大統領に検討や拒否の判断を要請している確定的な提案は存在しない」と述べた。

トランプ米大統領は17日、ティックトックについて、ウォルマートとオラクルと協議したと明らかにした。ただ、状況に大きな変化はないとした。

ウィスコンシン州に向けて出発するのを前にホワイトハウスで記者団に対し「きょうウォルマートとオラクルと話した。マイクロソフトもまだ関与しているようだ」と語った。その上で「大きな変化はない。近く決定する」と述べた。[nL4N2GE4IZ]

トランプ大統領が同案に署名するかどうかは明らかになっていない。TikTokグローバルが米事業以外にどのような資産を所有するかも不明。

トランプ大統領は16日、オラクルとTikTokとの提携案について、バイトダンスがTikTokの支配権を維持することは望まない姿勢を示した。[nL4N2GE07N]

関係筋によると、新会社の取締役会には米国が承認する安全保障の取締役も加わり、ユーザーデータ保護を監督する委員会の議長を務める。

タームシートの改訂版には、オラクルがTikTokのソースコードを調査する権利を有することが記されているほか、データの安全性を確保する多数の条項や、米国のユーザーデータは全てオラクルが国内で管理する旨が含まれている。

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オラクルやウォルマートの出資額は不明。オラクル、ウォルマート、米財務省からのコメントは現時点で得られていない。

メドウズ大統領首席補佐官はこの日、トランプ政権は提携内容などについて引き続き検討していると指摘。TikTokがオラクルとの提携後も依然として中国系企業と見なされれば、トランプ大統領の目標を満たさないとした。