貧困背景に「現代の奴隷」状態が増加=国連報告書

Reuters

発行済 2022年09月13日 02:47

[ジュネーブ 12日 ロイター] - 国連の国際労働機関(ILO)は12日発表した報告書で、貧困などの危機によって日常的な「現代の奴隷制」の状態に苦しんでいる人が5000万人近くに上り、2016年より約930万人増えたとの推計を明らかにした。

報告書によると、うち半数超が強制労働に従事させられ、残りは強制的に結婚させられている。「脅迫、暴力、詐欺、権力の乱用といった強制のために拒否できなかったり、離れることができなかったりする」ため、どちらも「現代の奴隷」の状態に該当する。

新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)、武力紛争、気候変動などの危機でより多くの人々が極度の貧困状態に陥り、移住を余儀なくされているのが状況を悪化させていると指摘した。

ILOのライダー事務局長はロイターに対し「全般的に見て、われわれが手を緩めてしまったと思う。強制労働に関して目を離してきた」との見方を示し、雇用慣行と労務管理の改善を求めた。