政敵捜査の「見返り」に首脳会談、トランプ氏「指示」と米高官証言

Reuters

発行済 2019年11月21日 08:13

政敵捜査の「見返り」に首脳会談、トランプ氏「指示」と米高官証言

[ワシントン 20日 ロイター] - トランプ米大統領のウクライナ疑惑を巡る米下院情報特別委員会の弾劾公聴会で、ソンドランド駐欧州連合(EU)代表部大使は20日、ウクライナ問題でトランプ大統領の「指示」に従い、トランプ氏の顧問弁護士であるジュリアーニ氏に協力したと証言したほか、初めてポンペオ国務長官とペンス副大統領が役割を果たしていたことを明らかにした。

それによると、ジュリアーニ氏がウクライナのゼレンスキー大統領に対し、ホワイトハウスで米ウクライナ首脳会談を開催する「見返り」として民主党のバイデン前副大統領らトランプ氏の政敵への捜査を行うよう要求したという。

ソンドランド氏は、自分を含め3人の高官がトランプ氏からジュリアーニ氏への協力を指示されたとした上で、「ジュリアーニ氏に協力したくなかったが、断れば米ウクライナ関係を強固にする重要な機会を逃すことになると考え、大統領の指示に従った」と述べた。

さらにウクライナ問題はポンペオ国務長官も関知しており、長官は「完全に協力的」だったと指摘した。ジュリアーニ氏は弾劾調査への協力を拒否している。

ソンドランド氏はウクライナ疑惑にトランプ大統領が積極的に関与していた様子を詳細に証言。ポンペオ国務長官がウクライナによるバイデン氏らの捜査実施に向けた取り組みに関与していたほか、ペンス副大統領もこうした取り組みについて認識していたと証言し、これまでに行った非公開での証言よりも踏み込んだ内容を明らかにした。

ソンドランド氏は弾劾調査の焦点となっている7月25日のトランプ氏とゼレンスキー大統領の電話会談に先立ち、米政権高官に「誰もが関与している。これを知らない人はいない」との記述のある電子メールを送付。この電子メールはポンペオ国務長官のほか、ペリー・エネルギー長官、マルバニー大統領首席補佐官代行らに送付したとしている。

弾劾調査では、トランプ氏がゼレンスキー氏との電話会談でバイデン氏ら政敵などへの捜査を要請したことが焦点となっている。会談に先立ち、トランプ氏は3億9100万ドル規模の対ウクライナ軍事支援を凍結しており、民主側はトランプ氏が軍事支援を材料にウクライナ側に捜査を行うよう圧力をかけたと主張している。

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