米下院歳入委、USMCA修正文書を承認 本会議で19日採決へ

Reuters

発行済 2019年12月18日 10:17

米下院歳入委、USMCA修正文書を承認 本会議で19日採決へ

[ワシントン 17日 ロイター] - 米下院歳入委員会は17日、北米自由貿易協定(NAFTA)に代わる新たな米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)の修正文書について、発声投票を行い承認した。19日の下院本会議の採決でも幅広い支持が得られる見通しだ。

投票で反対を表明したのは、同委メンバー42人中1人。民主党のビル・パスクレル議員は、労働規定の執行に関する修正が、メキシコの労働者の公正な待遇確保に不十分だとし、支持できないとした。

ただ、他のメンバーは、工場レベルで労働者の権利保護に関する規定の執行面を強化することで3カ国が合意した内容を総じて評価した。

歳入委のリチャード・ニール委員長は「これらの修正は、米貿易協定の新たな基準を設定し、協定が労働者に権利を与え、患者が利用可能な医療制度を確保し、共有環境の改善につながれば、幅広い超党派の支持を得られることを示すものだ」と語った。

歳入委の承認により、トランプ米大統領が推進してきた新NAFTA締結への3年に及ぶ取り組みは、批准に向け前進する。

下院は18日、「ウクライナ疑惑」を巡るトランプ大統領の弾劾訴追決議案の採決を行う。

トランプ氏は17日、USMCAに関する上院での採決日程について、マコネル上院院内総務次第だとの見解を示した。マコネル氏は、2020年初めに見込まれるトランプ氏の弾劾裁判まで採決を待つ可能性があるとしている。

USMCAの修正文書では、メキシコで工場ベースの労働者保護義務が確実に履行されるよう、米国とカナダが委員会を設置し検証する新たなメカニズムなどが確立された。[nL4N28L0RA]

バイオ医薬品やその他の製薬に関する保護措置を10年適用するとした規定も削除された。民主党は、この規定が薬価の上昇につながるとして懸念を表明していた。

ライトハイザー米通商代表部(USTR)代表は17日、10年間のバイオ医薬品保護期間を削除したのは「後退」で、民主党の支持を得るため必要な「妥協」だったと述べ、民主党が下院を制していることが影響したと指摘した。その上で、USMCAの修正文書は議会を容易に通過するとの見通しを示した。