WHO、新型肺炎ペース鈍化「予断許さず」 韓国でも集団感染

Reuters

発行済 2020年02月21日 06:29

WHO、新型肺炎ペース鈍化「予断許さず」 韓国でも集団感染

[ジュネーブ 20日 ロイター] - 世界保健機関(WHO)は20日、中国本土で新型コロナウイルスの新たな感染の伸び鈍化は心強いとしつつも、この状況が今後も継続するとの判断は時期尚早との認識を示した。

中国国家衛生健康委員会は19日時点の中国本土での新たな感染者が394人だったと発表。18日の1749人から減少し、1月23日以来の少なさだった。

テドロス事務局長は「この(減少)トレンドは心強いが、気を緩めているゆとりはない」と述べた。

さらに中国以外での感染者数がなお少ないと指摘しつつも、「この状況が長く続くとは限らない」と慎重な姿勢を崩さなかった。

一方、韓国ではこの日、新型コロナウイルスの感染者で初の死者が出た。また、新たに22人の感染が確認され、感染者数は104人となった。

新たな感染は大半が大邱で発生し、当局は当地の教会で行われたイベントで拡散したとみている。複数の当局者によると、教会の礼拝に参加したそのほか1000人強のうち少なくとも90人に症状が出ているという。

大邱広域市の権泳臻(クォン・ヨンジン)市長は、250万人の市民に対し、屋内にとどまるよう求めた。

テドロス事務局長は、韓国での感染者数は「制御可能」な水準とし、「初期の段階」で流行を食い止めたいとの考えを示した。WHO幹部のオリバー・モーガン氏も「数字がかなり高いようにみえるが、大半はすでに感染が確認されているケースに関連している」とし、「世界の疫学上の目立った変化を示唆しているわけではない」と述べた。

WHOはまた、3週間以内に新型ウイルス治療2種類の試験結果が明らかになる見通しとした。

こうした中、新型ウイルスが想定以上に感染力が高いという研究結果も発表された。米国株式市場では大型テクノロジー株が下げを強め、主要指数が一時約1%下落。感染者増加や経済的影響に懸念が強まった。

<湖北省は休業延長>

新型ウイルスの発生源となった中国の湖北省政府は同日、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、企業に対し休業措置を3月11日まで延長するよう要請した。新型ウイルス封じ込めに関係する企業や不可欠な公共サービスは除外する。

学校も引き続き閉鎖される。従来の休業・閉鎖措置は今月21日までだった。

アプリを入手する
Investing.comで、世界の金融市場の最新動向をチェックしましょう!
今すぐダウンロード

中国商務省は、新型コロナウイルスの感染拡大が国内の消費に「比較的大きな影響」を与えているとした上で、政府は自動車販売の促進を含めさらなる支援措置の発動を検討すると表明した。