[クアラルンプール 9日 ロイター] - マレーシアのムヒディン新首相は9日、内閣発足に向け、財務相に大手銀CIMBグループ (KL:CIMB)のザフルル・アジズ最高経営責任者(CEO)を起用する閣僚人事を発表した。
銀行界のベテランの登用で、国内政治の混乱と新型コロナウイルス感染拡大の世界経済への悪影響を巡り強まる懸念の沈静化を図る。
マレーシアでは、マハティール前首相の前月の突然の辞任後、政治の混乱が続いていたが、ムヒディン氏が野党である統一マレー国民組織(UMNO)の支持を得て国王から首相に任命され、前週、就任した。
CIMBグループのトップを2015年から務めてきたザフルル氏は、財務相に任命された同国初の民間人となった。
ムヒディン首相は、同氏の登用は「実績を出せる内閣」の発足という目的を果たすためだと説明。
CIMBはザフルル氏が同行での全ての役職を退くと発表した。
バウアーグループアジアのマレーシア担当幹部は、「政府は恐らく、ザフルル氏の海外ファンドマネジャーおよび銀行関係者との関係を活用したい考えだ。マレーシアに投資を呼び込むうえで、重要性が高いからだ」と分析した。
ムヒディン氏はまた、経済、安全保障、インフラ開発、教育の分野をそれぞれ担当する4つの上級相を新設。貿易産業相にはアズミン・アリ前経済相を充てた。 OLJPWORLD Reuters Japan Online Report World News 20200310T011349+0000