韓国、新型コロナ感染拡大ペース再び鈍化 クラスターに焦点

Reuters

発行済 2020年03月12日 15:43

[ソウル 12日 ロイター] - 韓国疾病予防管理局(KCDC)の12日の発表によると、国内の新型コロナウイルス感染者は114人増え、累計7869人となった。新たな感染者数は急増した前日から再び鈍化傾向を示した。死者は6人増え、66人となった。

新たな感染者は2月29日に確認された過去最多の909人を大幅に下回り、当局は増加ペースが減速しているようだとの認識を示した。

ただ、ウイルス封じ込めには今後数日の対応が重要になるとみられ、当局は首都ソウルのコールセンターなどで発生した、より小規模なクラスター(感染集団)に焦点を当ててウイルス封じ込めに取り組んでいる。

公衆衛生政策担当トップの尹泰皓(ユン・テホ)氏は「まだ散発的に感染が確認されており、警戒を緩めることはできない」と語った。

12日に報告された新たな感染者のうち、19人はソウルで確認された。ソウルではコールセンターの従業員少なくとも102人が新型ウイルスの陽性反応を示し、市内での感染拡大への懸念が強まっている。

ソウル市長は、コールセンターの従業員800人近くとコールセンターが入る建物の入居者200人に検査を行ったことを明らかにした。

「コールセンターからの感染拡大を食い止めることが新型ウイルスのさらなる伝染を防ぐ上で重要だ」とし、「同地域で、必要なあらゆる人的・物質的支援に注力する」と語った。

政府はまた、欧州の特定の国からの入国者に対し、検温やその他の監視措置を強化する方針という。

新たな感染者の73人は集団感染が起きた南東部の大邱(テグ)市で確認された。

尹氏は全国民に集会を避け、他の人と社会的な距離を維持するよう呼び掛けた。

また政府は、欧州の一部の国からの渡航者への検温とその他の監視措置を拡大する方針を示した。

米国防総省は12日、軍人とその家族による一部の国への渡航を今後60日間制限することを発表した。韓国はこの対象となっている。