［ロサンゼルス １２日 ロイター］ - 米娯楽大手ウォルト・ディズニー (N:DIS)は１２日、米カリフォルニア州およびフロリダ州のテーマパークと仏パリのディズニーランドを今週末から３月いっぱい閉鎖すると発表した。新型コロナウイルスの感染拡大を受けた措置。
クルーズ客船を運航する「ディズニー・クルーズ・ライン」は１４日から今月末まで、新たな出発便を全面的に停止する。
ディズニーは、発表文書で「フロリダのウォルト・ディズニー・ワールド・リゾートとディズニーランド・パリ・リゾートのテーマパークを１５日の営業終了後から月末まで閉鎖する」とした。
同社はこれより前、カリフォルニア州アナハイムにあるテーマパーク「ディズニーランド」と「カリフォルニア・アドベンチャー」を１４日から今月末まで閉鎖すると発表していた。両施設では、新型コロナウイルスの感染は確認されていないという。
ウォルト・ディズニー・ワールドとディズニーランド・パリのホテルは当面、営業を継続する。
ディズニーの株価は１２日の米株市場で１３％下落した。米株市場の主要指数はいずれも約１０％安だった。
米ケーブルテレビ（ＣＡＴＶ）大手コムキャスト (O:CMCSA)も、ロサンゼルス近郊にあるテーマパーク「ユニバーサル・スタジオ」を１４日から閉鎖すると発表した。営業再開は今月２８日を予定している。
これに先立ち、カリフォルニア州のニューサム知事は、２５０人以上が集まる集会を中止するよう要請していた。
知事によると、１２日時点で報告されている同州の感染症例は１９８人（うち４人死亡）となっている。
ディズニーがアナハイムで運営しているホテルは、宿泊客の移動準備のため、１６日まで営業する。
施設の閉鎖中は従業員に給与を支払い、ホテルを予約した顧客には代金を返還する。
ディズニーの発表を受け、格付け会社Ｓ＆Ｐは同社の信用格付け見通しを「安定的」から「ネガティブ」に引き下げた。
Ｓ＆Ｐは「ディズニーの見通し引き下げは、新型コロナウィルス危機による世界経済への影響を巡る不透明感の高まりを反映している」とした。
ディズニーは、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、すでに上海、香港、東京のテーマパークを閉鎖している。
ディズニーは２月、上海と香港のテーマパーク閉鎖が２カ月続いた場合、それだけで１億７５００万ドルの損失が出るとの見通しを示した。[nL4N2A502J]