台湾中銀、追加利下げの余地ある 中小企業に追加支援も=総裁

Reuters

発行済 2020年03月30日 14:08

更新済 2020年03月30日 17:09

[台北 30日 ロイター] - 台湾中銀の楊金龍総裁は30日、議会で、追加利下げの余地はあるが、政策金利をゼロあるいはマイナスまで引き下げることはないと表明した。

総裁はまた、新型コロナウイルス流行で打撃を受けた中小企業の支援にあたり、すでに発表済みの2000億台湾ドル(66億1000万米ドル)の銀行向け資金で足りない場合、政府は追加資金を提供すると述べた。

中銀は今月、2016年第2・四半期以来となる利下げを決定。政策金利を25ベーシスポイント(bp)引き下げ、過去最低の1.125%とした。中銀はまた、レポ取引を拡大し、銀行に2000億台湾ドルを供給することも発表した。[nL4N2BC3DD]

楊総裁は、新型ウイルスの流行が今年第3・四半期あるいは第4・四半期まで続く場合、台湾経済が2%の成長率を維持できる可能性は小さくなると発言。中銀は今月利下げを発表した際、通年の成長率見通しを1.92%とし、昨年12月時点の2.57%から引き下げていた。

楊総裁は、統計局が第1・四半期の経済指標の発表後に域内総生産(GDP)見通しを調整するとの見方を示した。

一部の銀行は台湾の今年の成長率見通しを中銀予想を下回る水準まで引き下げており、INGはプラス0.8%からマイナス0.4%に下方修正した。

一方、楊総裁は、新型コロナの金融市場への影響はこれまでのところ2008年の時ほど深刻ではないとし、システム内の流動性は十分にあるため金融危機は起こらないと述べた。

また、新型ウイルスの影響は、2002─03年の重症急性呼吸器症候群(SARS)流行時よりも長く、深刻ではあるが、短期にとどまると見込んだ。