米上院共和党が警察改革法案、首絞め拘束の明確な禁止含まず

Reuters

発行済 2020年06月18日 02:01

更新済 2020年06月18日 13:46

[ワシントン 17日 ロイター] - 米上院共和党は17日、警察改革法案を公表した。ミネソタ州で黒人男性の死亡につながり、争点となっている「チョークホールド(首を圧迫して容疑者を拘束する)」の明確な禁止は盛り込まれなかった。

法案策定を主導した上院共和党で唯一のアフリカ系米国人のティム・スコット議員は、自身も警官に1年間で7回も車を止められたことがあると語り、「米国は人種差別の国ではないが、国内に人種差別があるため、対応が必要だ」と説明した。上院共和党トップのマコネル院内総務は同法案を来週、審議すると語った。

一方、下院司法委員会は同日、民主党の警察改革案を賛成多数で承認。7月4日までに本会議で採決が実施される可能性がある。

両法案ともに、リンチ行為をヘイトクライム(憎悪犯罪)とするほか、警官らへのボディーカメラの着用義務付け、警官訓練の改善などの案などが盛り込まれている。

しかし、警察の不正行為に対処するため法的かつ政策上の改革を迫る民主党案とは異なり、共和党案ではチョークホールドを明確に禁止せず、連邦政府補助金を利用してチョークホールドや事前通知のない住居への立ち入りの抑制を目指す。

さらに、殺傷力の高い武器の使用を制限する新規則を設けず、容疑者が警察の不正行為を提訴することは容認しない。