トランプ氏、元側近ストーン氏の刑免除 共和党重鎮と民主党反発

Reuters

発行済 2020年07月13日 09:19

[ワシントン 10日 ロイター] - トランプ米大統領は、2016年米大統領選にロシアが介入した疑惑を巡る偽証で3年4月の禁錮刑が確定していた元側近で長年の盟友ロジャー・ストーン元被告について、刑を免除した。

ストーン氏(67)は14日にジョージア州の連邦刑務所に収監される予定だった。民主党はトランプ氏の決定について、法の支配に打撃を与えているとして批判した。

トランプ氏はツイッターに「ロジャー・ストーンは、決して起こるべきでなかった違法な魔女狩りのターゲットにされた。犯罪者はむしろ反対陣営で、バイデンとオバマが違法に私の陣営にスパイ行為を働き、ばれたという事実も含む!」と投稿した。

刑の免除は恩赦と異なり、有罪判決は無効にならない。

ストーン氏は「(ロシア疑惑)捜査に合法的なきっかけは全くなく、魔女狩りだったと気付くと、ゾッとするような悪夢だ」と強調した。トランプ氏はロシアの大統領選介入疑惑に関する検察や議会民主党の調査を繰り返し魔女狩りと批判してきた。

ストーン氏を含むトランプ氏の複数の元側近は、モラー特別検察官(当時)によるロシア疑惑捜査を巡る罪で起訴されている。ストーン氏は昨年11月に7つの罪状で有罪評決を受けた。

ストーン氏の刑の免除に対し、与党・共和党のトランプ氏に近い一部議員は歓迎の意を表したが、大半の議員は反応を示していない。

しかし、同党重鎮のミット・ロムニー上院議員はツイッターで「前例のない、歴史的な腐敗だ。米大統領が、まさに大統領を守るための偽証で有罪評決を受けた人物の刑を免除するとは」と批判。ロムニー氏は今年2月、トランプ大統領のウクライナ疑惑を巡る弾劾裁判で、共和党から唯一造反し、権力乱用に関する評決で有罪に賛成票を投じている。