石油需要、21年は急回復想定も19年水準に届かず=OPEC月報

Reuters

発行済 2020年07月15日 02:06

[ロンドン 14日 ロイター] - 石油輸出国機構(OPEC)は14日に公表した月報で、世界経済が新型コロナウイルス危機から回復することで、2021年の世界石油需要の増加幅は過去最大の日量700万バレルに急回復することが見込まれるものの、19年の水準を上回ることはないとの見方を示した。

OPECが21年の見通しを示すのは初めて。米中貿易摩擦や高水準の債務、新型コロナ感染第2波など一段の下振れリスクが発生しないことが前提という。

OPECは「主要国を中心に新型コロナ感染症が抑制され、パンデミック(世界的大流行)に対する大規模な景気刺激策が支えとなり、家計消費や投資が回復することを前提にしている」とした。

20年の石油需要の減少幅については日量895万バレルを想定。減少幅は前月の発表からやや縮小した。

21年は、原油需要が600万バレル増の日量2980万バレルと、石油需要の伸びの大半を占めるものの、効率化とリモートワークが伸びを抑制し、19年の過去最高水準を下回る見込みとした。

OPEC非加盟国による石油供給については、20年に日量326万バレル減少する一方、21年には92万バレル増加すると予想した。

エナジー・アスペクツの共同創業者、アムリタ・セン氏はOPECの需要回復予測は楽観的な可能性があると指摘。21年の石油需要は日量約500万バレル増加すると見込んだ。

米産油量について、OPECは20年に137万バレル減、21年に24万バレル増を想定。19年は170万バレル増だった。