連邦要員派遣なら法廷闘争へ、NY市長などトランプ氏発言に反発

Reuters

発行済 2020年07月22日 06:18

更新済 2020年07月22日 10:18

[21日 ロイター] - 米ニューヨーク市のデブラジオ市長は21日、トランプ大統領が人種差別に対する抗議デモ対応でニューヨーク市などに連邦政府要員を派遣する考えを示したことに関して、強行すれば法廷闘争を辞さない考えを示した。

トランプ大統領は前日、抗議デモが続くニューヨーク、シカゴ、フィラデルフィア、デトロイトなどの主要都市に連邦要員を派遣する計画を明かし、こうした都市の市長は「リベラルの民主党だ」と述べた。市長と州知事が民主党のオレゴン州ポートランドでは先週、連邦職員が抗議デモの取り締まりを開始し、反発が広がっている。[nL3N2ER3QZ]

デブラジオ市長は、単なる脅しである可能性があるとしつつも、実行されれば、ニューヨーク市は法廷で闘うと表明。その上で「この大統領は虚勢を張り、実行すると表明しつつも、実行されないのが日常だ。発言は真実でないことも多く、過大評価すべきでない」と述べた。

シカゴのライトフット市長も法廷闘争を辞さない構えを示しつつも、「現時点でトランプ政権がシカゴに不特定の連邦職員を実際に派遣することはないと理解している」と語った。

同市長は、代わりに、米連邦捜査局(FBI)、麻薬取締局、アルコールたばこ火器爆発物取締局からの派遣があり、既に犯罪対策で市当局と協力している連邦機関と統合するとの見方を示した。

フィラデルフィアのケニー市長は、連邦要員投入は裏目に出ると指摘。「ホワイトハウスは新型コロナウイルス対応で、何カ月も連邦政府としての責任を回避してきた。このような形で連邦介入することは、皮肉で不快だ」と批判した。

ミシガン州のウィットマー知事(民主党)は、トランプ大統領がデトロイトへの連邦要員派遣の可能性を示唆したことを受け、「政治的動機に基づく脅し」と述べた。