訪台の米厚生長官、中国の新型コロナ対応を批判

Reuters

発行済 2020年08月11日 13:02

更新済 2020年08月11日 19:45

[台北 11日 ロイター] - 台湾を訪問中のアザー米厚生長官は11日、新型コロナウイルスの流行について中国政府の対応を批判し、新型コロナが台湾や米国で発生していれば「容易に制圧」できていた可能性があると述べた。

トランプ政権は、中国政府が武漢市で発生した新型コロナに関する情報を隠蔽しようとしていたと繰り返し批判。中国側は疑惑を否定している。

同長官は台北で「中国共産党には、ウイルスについて世界に警告し、世界と協力するチャンスがあった。だが彼らはそうしないことを選んだ。その選択のせいで日増しに被害が増えている」と発言。中国政府が世界の公衆衛生に必要とされる協力の精神に背き、国際的な義務を果たさなかったと非難した。

同長官は「こう言っても誇張ではないと思う。もしこのウイルスが台湾や米国のような場所で発生していれば、容易に制圧できていたかもしれない。公衆衛生当局に直ちに報告していれば、当局が専門家や一般市民と情報を共有していただろう」と発言。

「だが、中国政府は情報の共有に抵抗したようだ。声を上げた医師の口を封じ、世界の対応能力を妨害した」と述べた。

台湾の呉ショウ燮外交部長(外相)は11日、同長官との共同会見で、中国政府が台湾を第2の香港とする政治的な条件の受け入れを求めており、台湾は厳しい状況に直面しているとの認識を示した。

呉氏は会見で「われわれの生活は厳しさを増している。中国は台湾に対し、政治的な条件を受け入れるよう引き続き圧力をかけている。台湾を第2の香港とするような条件だ」と発言。台湾にアザー長官のような米国の友人がいることは幸運だとの認識を示した。

呉氏は「これは台湾の地位だけの問題ではない。権威主義的な侵攻に直面している民主主義を維持するという問題だ。台湾は民主主義を広めるため、この戦いに勝たなければならない」と述べた。

アザー長官は、台湾が中国の反対で世界保健機関(WHO)に加盟できていないことについて、世界は台湾の新型コロナウイルス対策の成果を認めるべきだと発言。

「感染が世界的に拡大している時は特にそうだが、国際機関はどんな場合も、政治の駆け引きの場となるべきではない。建設的でオープンな対話と協力の場であるべきだ」と述べた。

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