米国防長官が中国批判演説、太平洋で「1インチたりとも譲歩せず」

Reuters

発行済 2020年08月27日 13:34

更新済 2020年08月27日 18:00

[27日 ロイター] - エスパー米国防長官は26日、米国は太平洋で指導役を担う責任があり、自らの政治体制がより良いと考えている他国には「1インチたりとも譲歩しない」と述べた。中国を念頭にした批判だ。

長官はハワイで演説し、たとえ約束を繰り返し反故にしている中国が積極的な軍近代化を追求するとしても、ルールに基づく国際秩序を中国に尊重させるため同国と協力することを望んでいると述べた。

また、中国は国際法順守の約束に従ってこなかったとしたほか、世界に力を誇示したいと考えていると付け加えた。

「CCP(中国共産党)のアジェンダを進めるため、人民解放軍は今世紀半ばまでに世界クラスの軍になろうと積極的な近代化計画を引き続き追求している」と指摘。「これは疑いようもなく、南シナ海、東シナ海、および中国政府が自国の利益に重要だとみなしている地域における人民解放軍の挑発的行為を伴うだろう」とした。

ただ、米国は中国抑止を目指す一方、「願わくば、国際ルールに基づいた秩序とより協調する路線に中国を戻すため、同国との協力を続けたい」と望んでいると述べた。

長官は、インド太平洋を「中国との大国競争」の中心地と表現。ただ、それはロシアとも一緒だと付け加え、中国のプレゼンスは今や世界に及んでおり、米国は世界で両国に対処できるようになる必要があるとした。

「米国は指導する責任がある。われわれは相当長い間、太平洋国家であり、インド太平洋国家だ」と指摘。「政府の形態、人権に対する見方、主権に対する見方、報道の自由・宗教の自由・集会の自由に対する見方、これらあらゆる事柄について、われわれの多くが共有しているものよりも自らのがより良いものだと考えている別の国には1インチたりともこの地域でわれわれが譲歩することはない」と述べた。