[ドバイ 29日 ロイター] - アラブ首長国連邦(UAE)のハリファ大統領は、イスラエル製品のボイコットを撤回する大統領令を発令した。関係正常化に向け、貿易や金融取引が可能になった。国営の首長国通信(WAM)が29日に伝えた。
両国は8月13日、米国が協議を主導する形で関係正常化に合意した。
WAMによると、ハリファ大統領は「イスラエルとの外交・商業協力拡大に向けた取り組みの一環」としてボイコットを撤回。経済成長と技術革新を促進し、関係正常化を図るとした。
イスラエルのアシュケナジ外相は、UAEは「平和に向けた重要な一歩」を踏み出したとコメント。両国の国民に経済商業上の多くの成果をもたらし、地域の安定強化にもつながるとした。
イスラエルのエルアル・イスラエル航空 (TA:ELAL)はテルアビブとUAEの首都アブダビを結ぶ同国初の直行便を31日に運航する予定。イスラエル政府の代表団とクシュナー米大統領上級顧問を含むトランプ大統領の側近らが、搭乗する予定。
イスラエルとUAEは、国交正常化の正式合意に向け、大使館の開設や貿易関係、両国間の渡航の問題について詳細を詰める必要がある。
イスラエルのテレビ「チャンネル13」は、2国間の貿易は当初、年間40億ドルに上る可能性があり、すぐに3倍あるいは4倍に膨らむと推計。政府当局者からこの推計の確認はとれていない。
29日に発表された大統領令によって、UAEの市民や企業はイスラエルと自由に取引できるようになった。
両国間ではまだ、正式な航空便の乗り入れは行われていない。31日のエルアル航空便が、時間短縮のために、イスラエルと国交がないサウジアラビアの領空通過を認められているかどうかは、まだ不明。 OLJPWORLD Reuters Japan Online Report World News 20200830T234627+0000