サウジ、カショギ氏殺害で被告8人に禁錮7─20年の判決 死刑を減刑

Reuters

発行済 2020年09月08日 09:40

[リヤド/ベイルート 7日 ロイター] - サウジアラビア人記者ジャマル・カショギ氏が2018年に殺害された事件で、同国の裁判所は7日、8人の被告に禁錮7─20年の最終判決を言い渡した。被告の氏名は公表されていない。国営メディアが報じた。

サウジ刑事裁判所は昨年12月、5人に死刑判決、3人に禁錮刑を言い渡したが、カショギ氏の遺族は今年5月、被告らを許す意向を表明しており、これが減刑につながったとみられる。

国連当局者や人権活動家からは、殺人の首謀者らが拘束されずに自由なままだとの非難の声が上がった。

サウジ政府に批判的だったカショギ氏は、婚約者ハティジェ・ジェンギズ氏との結婚に必要な書類を取得するために訪れたトルコのイスタンブールのサウジ総領事館で殺害された。事件を巡ってはムハンマド・ビン・サルマン皇太子の関与が疑われていた。

ジェンギズ氏は判決について、殺人に関与したのは禁錮刑となった8人だけではないと指摘。発表文書の中で「サウジ当局は国際社会に真実を知らせることなく、この事件を終わらせようとしている。誰が計画し、誰が命じたのか。彼の遺体はどこにあるのか」と述べた。

国連の特別調査官、アグネス・カラマール氏は、事件の黒幕である高官らに処罰を与えず「司法を踏みにじった」とサウジ当局を非難。ツイッターへの投稿で、裁判は公平でも透明でもなく、「サルマン皇太子の責任が問われることはなかった」と述べた。