アベノミクス以降で対中・米GDP格差は拡大=石破元幹事長

Reuters

発行済 2020年09月11日 13:41

更新済 2020年09月11日 15:27

[東京 11日 ロイター] - 自民党の石破茂元幹事長は11日午後、都内の日本外国特派員協会で講演し、安倍晋三政権の経済政策アベノミクス開始時に比べて日本の対中国・米国の経済規模格差はむしろ拡大しており、低金利と低賃金が要因ではないかと問題提起した。安倍首相が同日にも談話公表を検討している敵基地攻撃能力の保有に関し、敵の発射台検知などは技術的に難しく、日本に可能なのはシェルターの整備と指摘した。

<消費税一律引き下げ賛同せず>

アベノミクスについて「株価上昇や企業収益拡大は素晴らしいこと」と評価しつつ、「国内総生産(GDP)で比較して、アベノミクス開始時と今で中国は日本の1.4倍から2.9倍に、米国は日本の2.6倍から4倍になった」と指摘。「金利が低く、労働者の賃金が低いことがこれをもたらしたのではないか」と解説した。

「デフレが続くのは賃金が上がらないからで、金融政策のみでデフレ脱却できるとは思っていない」と述べた。

消費税に関し「安定財源のために必要」とし、「一律に引き下げる考えには賛同しない」と語った。法人税についても「一律引き下げは不公平」とし、「女性雇用や本社の地方移転などを行う企業を対象とした法人税引き下げが望ましい」と訴えた。同時に「安定財源確保のためには課税ベース拡大が必要で、法人も含めた累進課税見直しも選択肢」、「低所得者や女性、一次産業従事者などの潜在力を引き出すため、あらゆる税制の改善検討が必要」と述べた。 

<敵基地検知、今の日本の能力では難しい>