第2四半期の英GDP確報値、前期比-19.8% 予想は小幅上回る

Reuters

発行済 2020年09月30日 16:10

更新済 2020年09月30日 19:00

[ロンドン 30日 ロイター] - 英国立統計局(ONS)が発表した第2・四半期の国内総生産(GDP)確報値は過去最悪の前期比19.8%減となった。ただ、予想の20.4%減は小幅に上回った。前年比では21.5%減。

貯蓄率は29.1%と前期の9.6%から急上昇し過去最高を記録した。新型コロナウイルス流行によるロックダウン(都市封鎖)で小売店やレストランが営業を停止し支出する機会が減る一方で、政府の雇用支援策が収入を支えた。

プレミア・ミトンの資産運用担当者ジョン・ハドソン氏は「経済指標はこれまでのところイングランド銀行(英中央銀行)の想定よりも良好だ。ただ新型コロナ感染が再び増加し制限も増えている。状況が一転する可能性もある」と述べた。

ただ、同国では再び新型コロナの感染が拡大。政府の雇用支援制度も縮小されるため、失業の急増が予想されている。

キャピタル・エコノミクスのルース・グレゴリー氏は「新型コロナに伴う制限措置の再導入で、第4・四半期のGDPは恐らくゼロ成長になるだろう。経済活動は危機前の水準を5.5%下回る見通しだ」と指摘。

「封鎖措置の再導入で景気回復が腰折れするリスクがある」と述べた。

英国の新型コロナ感染症による死者数は4万2000人を超え、欧州で最も多い。第2・四半期の経済縮小幅も先進国中で最大となった。イタリアやフランス、スペインなど他の欧州各国では英国より早く第1・英半期からロックダウンが行われていた。

5月に感染抑制策が緩和されて以降、英経済は急回復を見せている。英中銀のベイリー総裁は29日、第3・四半期の経済活動縮小幅は7─10%になったとの見通しを示しながらも、失業率の上昇に伴い景気回復ペースが鈍化する可能性を警告した。