雇われハッカー集団が中東標的に、アプリ通じサウジ機関など

Reuters

発行済 2020年10月08日 02:47

[ワシントン 7日 ロイター] - ソフトウエア企業ブラックベリー (BA:BB)が7日に公表した報告書で、サウジアラビアの外交官やシーク教徒の分離独立派などが雇われハッカーの集団の標的になっていたことが分かった。

この集団は、アラブの伝承に登場する巨大魚の幻獣にちなんだ「バハムート」という名前で知られる。報告書は、サイバーセキュリティーの研究者がオンラインで雇われハッカーの証拠を見つけることが増えたことを示す。

ブラックベリーで研究部門のバイスプレジデントを務めるエリック・ミーラム氏は、バハムートの活動が多岐にわたることから、広範な領域に及ぶ複数の顧客を持っていると推測すると話した。

2019年にセキュリティーソフトウエアのサイランスを買収したブラックベリーは、研究者が何年にも及び入手したデジタルの手掛かりをまとめ、洗練されたハッカー集団の全体像を把握した。ブラックベリーはまた、米アップル (O:AAPL)と米アルファベット傘下グーグル (O:GOOGL)のモバイルアプリと集団の関連性を指摘した。報告書によると、ハッカーはフィットネスの計測やパスワード管理などのアプリを利用して標的を追跡した可能性がある。

アップルはコメントを控えた。ブラックベリーが指摘した2つのアプリはアップルの「アップストア」からすでに消えていた。グーグルの広報担当は報告書で指摘された全てのアプリを「グーグルプレイストア」から削除したと述べた。