イランとロシアが米大統領選介入の試み、米情報機関トップが発表

Reuters

発行済 2020年10月22日 10:57

更新済 2020年10月22日 13:09

[ワシントン 21日 ロイター] - ラトクリフ米国家情報長官は21日、ロシアとイランが今年の米大統領選への介入を試みたとの見解を示した。

長官は急きょ開いた記者会見で、「一部の有権者登録情報をイランとロシアが別々に入手したと確認した」と述べた。会見には米連邦捜査局(FBI)のレイ長官も同席した。

米国の有権者登録情報は大半が公開されている。ラトクリフ氏は、「イランが有権者を怖がらせ、社会的混乱をあおり、トランプ大統領にダメージを与えるためのなりすましメールを送っている」ことが米当局によって既に確認されたと続けた。

大統領選まで残り2週間というタイミングでの今回の発表は、海外の勢力が選挙プロセスへの米国民の信頼を損ね、偽情報の拡散を通じて選挙結果に影響を与えようと試みることへの米当局の強い警戒感を物語っている。

政府筋によると、21日に親トランプの団体「プラウド・ボーイズ」になりすましたメールが送られており、ラトクリフ氏はこれに言及していたという。

米情報機関はこれまで、イランがトランプ氏を不利にする目的で、ロシアはトランプ氏を有利にするために、それぞれ大統領選に介入する可能性があると警戒してきた。

外部専門家は、ラトクリフ氏の情報が正しければ、イランは、時に暴力的ともされるプラウド・ボーイズによる脅迫とトランプ氏支持に関心を向けることでトランプ氏のイメージ悪化を狙っているとみられると指摘した。

イラン国連代表部のミールユーセフィー報道官は文書で「イランは米選挙介入に関心はなく、結果に関して好悪もない」と表明した。

米民主党の上院トップ、シューマー院内総務はMSNBCのインタビューで、イランがトランプ氏へのダメージを狙ったというラトクリフ氏の見解には同意できないと述べた。「イランとロシアの意図は米選挙の信頼性に傷を付けるというもので、今回の事例がトランプ大統領の評判を落とす狙いがあったとは思わない」と述べた。