イランハッカーの米大統領選介入メール、「ばかな間違い」で虚偽露呈

Reuters

発行済 2020年10月23日 11:56

[ワシントン 22日 ロイター] - 米有権者に送付された数千件の有害メールの出所がイランのハッカー集団だと米政府分析担当者や民間調査員が迅速に突き止めることができたのは、一部メールに添付されていた動画に間違いがあったからだった。事情に詳しい関係者4人が明らかにした。

通常は技術的な分析や機密情報収集などに何か月もかかるが、今回は数日で米政府が特定と公表ができた。ある米当局者は「彼らがばかな間違いをしたか、わざと突き止められるようにしたかったのかのどちらかだ」と述べた。

イランのハッカー集団の仕業だということが、背後にイラン政府がいることを必ずしも意味するわけではない。イラン当局者はこうした米国の主張を否定している。

ラトクリフ米国家情報長官は21日、イランとロシアが米大統領選に介入を試みていたと発表した。

問題の動画は今週になって出回った。動画は米極右グループ「プラウド・ボーイズ」の公式とされるメールアドレスから発信されたように装っていた。これが出回って数時間内に、米情報機関当局者やアルファベット (O:GOOGL)傘下のグーグル、マイクロソフト (O:MSFT)といった大手プラットフォーム業者は、ぼかしを掛けた動画に映っているハッカーのコンピューター画面上のファイル名やIPアドレスなどのコンピューターコードの詳細分析を開始したという。